Block社傘下の決済プラットフォームSquare(スクエア)は23日、米国の加盟店に向けてビットコイン(BTC)による決済機能の提供を開始した。
ライトニングネットワークで即時決済を実現
今回の導入では、スクエアの既存POS(販売時点情報管理)システムを通じてサービスが提供される。
加盟店は新たなハードウェアを用意する必要がなく、既存設備を活用してビットコイン決済に対応できる。
決済処理には、ビットコインのセカンドレイヤー技術であるライトニングネットワークが使用される。これにより、従来の課題だった取引遅延や高額な手数料が解消され、即時かつ低コストの決済が可能となる。
この技術的進歩は、ビットコインを投機資産から日常的な決済手段へと変革する上で、重要な転換点とされる。
加盟店の柔軟性と普及に向けた一歩
新機能では、加盟店が受け取ったBTCをそのまま保持するか、即座に米ドルへ換金するかを選べる。価格変動リスクを抑え、導入のハードルが下がる。
スクエアのネットワークには米国内で約400万の加盟店が参加し、年間の取扱高は2000億ドルを超える。ビットコイン決済の対応は、暗号資産(仮想通貨)の実用化を後押しするとみられる。
導入は2025年7月に始まり、規制当局の承認を経て2026年までに全米展開を予定している。Block社はこれを、ビットコインが構想したP2P型電子決済の実現と位置づける。
今回の動きは、現実世界の小売決済におけるビットコイン活用としては過去最大規模の事例とされる。