6月開催の韓国大統領選、1600万人の仮想通貨投資家が鍵握る

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韓国国旗と仮想通貨のネットワークが融合したイメージ

6月3日の大統領選挙を控える韓国でこのほど、候補者らが約1600万人に上る暗号資産(仮想通貨)投資家の支持獲得に向け動き出している

韓国では仮想通貨への関心が高く、投資家人口は約1600万人に達すると推計されている。これは有権者全体の約36%に相当し、選挙の行方を左右する可能性のある重要な層として注目されている。

仮想通貨投資家の影響力拡大

近年、韓国における仮想通貨投資家の政治的な影響力は増大している。その背景には、投資家数の急増がある。

韓国の主要取引所のアップビット(Upbit)、ビッサム(Bithumb)、コインワン(Coinone)、コービット(Korbit)、ゴパックス(Gopax)の報告によると、2024年3月時点で約1400万人だった投資家は、その後50万人以上増加した。

これは従来の株式市場の参加者数を上回る規模であり、国民の投資先が変化していることを示している。

また、仮想通貨が持つ経済的な重要性も見過ごせない。

例えば、代表的な仮想通貨であるビットコイン(BTC)の時価総額は、韓国総合株価指数(KOSPI)に上場する企業の合計価値に匹敵する水準にまで成長している。

各党が公約、支持獲得へ

こうした状況を受け、共に民主党や国民の力といった主要政党は、仮想通貨投資家に向けた政策を積極的に打ち出している。

具体的には、ステーブルコインに関する規制案の策定や、韓国を世界的な仮想資産ハブとして育成する計画などが公約として掲げられている。

候補者らは、仮想通貨関連の法案草案を示したり、選挙公約を通じて仮想通貨コミュニティとの対話を深めている。

金融サービス委員会も、非営利団体や仮想通貨取引所が特定の条件下で資産を売却できるよう、規制緩和の計画を発表した。

大統領選挙が近づくにつれて、仮想通貨コミュニティからの支持を取り付けることが、勝利への鍵となると見られている。

今後、選挙結果が仮想通貨市場にどう影響するかが注目される。また、新しい仮想通貨の規制動向も見守る必要があるだろう。

著者: 早下 光

暗号資産ライター。2019年からの仮想通貨市場経験を基に、ブロックチェーン技術の基礎から応用、最新ニュースまで、正確・深い情報で読者の理解をサポートします。