ソラナのステーブルコイン供給量、弱気相場でも堅調を維持

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ソラナロゴとステーブルコインシンボルが浮かぶデジタルブロックチェーン背景

ソラナ(SOL)ブロックチェーン上のステーブルコインの時価総額はこのほど、約12億479万ドル(約1799億57万円)に達した

ソラナのステーブルコイン供給量は、2月に124億ドルに達し、現在も121億ドル(約1兆7303億円)と高水準を維持している。

この上昇は、ドナルド・トランプ米大統領がソラナのミームコインとステーブルコインのUSDCを組み合わせたことがきっかけに起こっていると考えられる。

「粘り強い」状態を維持

ブロックチェーン分析プラットフォームBlockworks Researchsのアナリスト、カルロス・ゴンザレス・カンポ氏は、ソラナベースのステーブルコイン供給量が予想以上に「粘り強い」状態を維持していると指摘。

同氏はポッドキャスト番組のライトスピード(Lightspeed)で「ステーブルコインの供給量は、予想以上に高水準が続いている」と述べた。

同氏によると、ステーブルコインの供給増加によりソラナの流動性が高まっているという。

弱気相場がステーブルコイン保有を促進

ステーブルコイン供給量の高水準維持は、現在の暗号資産(仮想通貨)市場の弱気相場環境が一因となっている可能性がある。

ユーザーがリスクの高い仮想通貨からソラナ上のステーブルコインへと資金をシフトさせていると、ゴンザレス・カンポ氏は分析している。

また、ソラナの分散型金融(DeFi)プラットフォームであるカミノファイナンス(Kamino Finance)でのUSDコイン(USDC)借入が、過去最高水準に近づいていることも注目される。

同氏は、投資家がソラナの価格下落後に資金を借りて、ソラナの値上がりを見込んだ取引を行っていると見ている。

新たなステーブルコインブランドの参入加速

ソラナネットワークでは新たなステーブルコインブランドの参入も加速している。その一例がパクサス(Paxos)が発行するステーブルコインUSDGだ。

このステーブルコインは金融関連企業のロビンフッド、ギャラクシー・デジタル、スタンダード・チャータードなどから支援を受けており、ソラナ上で約1億ドル(約143億円)の供給量を持つ。

また、ステーブルコイン発行のためのインフラプラットフォーム、エム・ゼロ(M^0)も、4月9日にソラナでローンチしたと報じられている。

ステーブルコインを活用した銀行サービスを提供するカスト(Kast)から、2つの新しいステーブルコインが最初に導入される予定だ。

ソラナのステーブルコイン供給構成変化への期待

現在、USDCとテザー(USDT)は非利回り型ステーブルコインとして十分に機能しているが、新たなステーブルコインが必要かという疑問も出ている。

しかし、ソラナが現在76%を占めるUSDCへの依存度を変えたいと考えている可能性がある。

USDC発行企業サークル(Circle)の開示書類(Form S-1)によると、USDCの裏付け資産である米国債からの収益の50%が、仮想通貨取引所コインベース(Coinbase)に支払われていることが明らかになった。

コインベースはイーサリアム(ETH)ブロックチェーンの「レイヤー2」と呼ばれる技術を活用したベース(Base)ネットワークを運営しており、ソラナと仮想通貨市場で競合する存在となっている。

Blockworks Researchsのデータ責任者であるダン・スミス氏は「方向性は合っているが、重要な部分を見落としている」と指摘している。

同氏はステーブルコインの配布はアプリケーションから行われるため、ブロックチェーンを飛ばしてアプリケーションに届くと述べている。

ステーブルコインを使用するのは、ソラナの技術(ブロックチェーン)が優れているからだけではなく、使いやすいアプリケーションや仮想通貨取引所があるためである。

ソラナにとって、競合企業に利益が流れる現状から、より有利な仕組みを模索する動きは自然な流れと言える。

松田 明日香

暗号資産投資を2020年に始め、ビットコインやNFT、DeFiなど複数の分野で投資経験を有する。2025年1月にICOBenchに参加し、専門的な暗号資産ライティングを手掛けている。