ソラナ財団、分散化強化へ|委任プログラムのポリシー変更

私たちを信頼する理由
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ソラナネットワークの分散化を象徴するノードの抽象的なイラスト

ソラナ財団は23日、ソラナ(SOL)ブロックチェーンネットワークの分散化を強化するため、委任プログラムに関する新たなポリシー(方針)を発表した

このプログラムは元々、ネットワークの初期成長を支援するために開始された。

財団が保有するSOLトークンをバリデーター(検証者)に委任(割り当て)することで、多額のSOLを保有しない小規模・新規バリデーターでも、ネットワークの合意形成に参加しやすくする仕組みであった。

しかし、ネットワークの成熟に伴い、この仕組みには課題も生じてきた。

特に問題視されたのは、財団から長期間にわたり委任を受けているにも関わらず、コミュニティからの十分なステーク(支持)を得られていない一部のバリデーターが存在する点だ。

こうしたバリデーターは、パフォーマンスが低い場合やコミュニティからの支持が限定的であっても、財団からの委任によって恩恵を受け続けていると指摘されていた。

新ポリシーの柱|「3対1ルール」でコミュニティの力を重視

今回の新しいポリシーで特に重要なのは、「3対1ルール」という仕組みを取り入れる点だ。

これは、新たに1つのバリデーターを委任プログラムに加える際、代わりに特定の条件を満たす既存のバリデーターを3つプログラムから除外するというものだ。

除外対象となるバリデーターは、以下の2つの基準に両方とも該当する場合である。

  • ソラナ財団からの委任(サポート)を受けている期間が18ヶ月(1年半)以上であること。
  • かつ、財団以外(コミュニティなど)から集めているステーク(支持や信頼の証となるトークン量)が1000SOL未満であること。

この仕組みを導入する目的は、ネットワーク運営がソラナ財団に過度に依存する状態を解消することにある。

コミュニティからの十分な支持を得られていないバリデーターを整理し、その分の枠を、コミュニティからの支持が期待できる、より活動的で自立した新規バリデーターに提供することを目指している。

これにより、ネットワーク全体の自律性を高め、コミュニティによる参加をさらに活発にしたい考えだ。

ネットワーク成熟と分散化への取り組み

このポリシー変更の背景には、いくつかの要因がある。

第一に、ソラナ(SOL)ブロックチェーンが急速に成長し競争が激化する中で、ネットワークの分散化と、それを支えるバリデーターの役割がますます重要になっている点だ。

ネットワークの健全性を維持することは、アルトコインの注目株であるソラナの持続的な発展に不可欠だが、ネットワーク初期に有効だった既存の委任スキームは、現在では一部に影響力が集中している。

パフォーマンスの低いバリデーターを結果的に支援してしまうリスクも指摘されていた。

第二に、バリデーターが財団からの委任に過度に依存するのではなく、コミュニティ内で自ら支持と評判を築くことを奨励するため、外部からのステーク獲得を重視するポリシーへ転換した。

これにより、バリデーターへの動機付けを、ネットワークの分散化促進や耐障害性向上といった目標と一致させる狙いがある。

第三に、コミュニティからの多様な支持を得ているバリデーターを優遇することで、より効率的で信頼性の高いバリデーター群の形成を目指す。

これは、特定主体への依存を減らし、検閲への耐性を高め、分散型ガバナンスを強化するという、ソラナが掲げる広範な目標達成にも一致する。

ソラナ財団は、今回のポリシー変更の発表に際し、分散化がソラナの進化における最優先事項であることを改めて強調した。

この調整は、バリデーターの多様性を確保し、より強固な分散型コミュニティ参加を促進することで、ソラナの競争力とエコシステムの持続的な成長を目指す戦略の一環と位置づけられている。

また同財団は、ネットワーク内でのステーキング選択肢を増やし柔軟性を高めることで分散化に貢献する、リキッドステーキングプールなどのツールの普及も引き続き進めている。

要約すると、ソラナ財団の新しい委任プログラムポリシーは、「3対1」のバリデーター入れ替えルールを導入し、支持のあるバリデーターを優先することで、財団からのステーク配分への依存を低減する。

これにより、分散化され、効率的で、障害に強いソラナネットワークを維持・発展させることを目指している。

こうしたネットワークの健全性と信頼性を高める取り組みは、エコシステム全体の長期的な発展にとって重要と言える。仮想通貨 長期保有を考える投資家にとっても安心材料の一つとなり得る。

著者: 松田 明日香

暗号資産投資を2020年に始め、ビットコインやNFT、DeFiなど複数の分野で投資経験を有する。2025年1月にICOBenchに参加し、専門的な暗号資産ライティングを手掛けている。