ナスダック上場の医療技術企業Semler Scientificは7月7日、187ビットコイン(BTC)を約2000万ドルで追加で購入した。
今回の購入により、同社のBTC総保有量は4636BTCとなり、現在の価格で約5億200万〜5億300万ドルに相当する。
同社によるBTC購入は、2025年に入ってから9回目となる。
ビットコインを準備資産とする企業戦略
Semler Scientificは2024年5月、米マイクロストラテジーの戦略に倣い、BTCを主要な準備資産とする方針を打ち出した。以降、同社は継続的にBTCを積み立てている。
購入資金は、ATM株式プログラムで自社株を売却して調達された。7月2日時点で410万株以上を売却し、1億5660万ドルを得ている。
さらに、同社は希薄化後の発行済株式数に対するBTC価値の成長率を示す独自指標、BTCイールドを導入。年初来の数値は29%に達した。
この指標は、株主価値の希薄化とBTC価格の変動とのバランスを図る目的で運用されている。
株価下落でも堅持する長期ビジョン
Semler Scientificの株価は2025年に入ってから41%下落しているが、同社はBTCに対する長期的な信頼を崩さず、2027年までに10万5000BTCの保有を目指す長期戦略を掲げた。
同社は現在、上場企業によるBTC保有量で世界14〜15位に位置する。過去の平均取得価格は1BTCあたり9万2753ドルで、約7200万ドルの含み益が発生している。
また、BTC保有額は、同社の株式時価総額を上回っており、デジタル資産への積極的な資金配分姿勢がうかがえる。
今回の購入は米証券取引委員会への8-Kファイリングを通じて開示されており、企業の暗号資産(仮想通貨)関連活動の透明性を確保している。