現実資産(RWA)トークン化企業のセキュリタイズ(Securitize)は24日、暗号資産(仮想通貨)プロジェクトのMantle(マントル)との提携を通じて、新たな機関投資家向け仮想通貨インデックスファンド「Mantle Index Four (MI4)」を立ち上げたと発表した。
新ファンドMI4の概要
MI4は、機関投資家向けに設計された仮想通貨インデックス商品である。
主要な仮想通貨であるビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、そして米ドル建てステーブルコイン、またはそれに相当するドル連動型デジタル資産の投資機会を提供する。
ファンドへの資産配分は、各仮想通貨の時価総額とリスク特性に基づいて決定される。マントルはこのファンドの主要な初期投資家として、4億ドル(約572億円)を拠出する。
この取り組みは、2025年初頭にマントル分散型自立組織(DAO)によって承認されたものである。
MI4は、セキュリタイズが以前に立ち上げた1億4800万ドル(約211億6400万円)規模のトークン化ファンドのBCAPを上回り、トークン化された機関投資家向けファンドとして過去最大規模となる見込みだ。
DeFi戦略と機関投資家の需要に応える設計
MI4の特徴的な点は、分散型金融(DeFi)の利回り生成戦略を組み込んでいることである。
具体的には、マントルのmETHや大手取引所のバイビット(Bybit)のbbSOL、DeFiプロトコルのエテナ(Ethena)のsUSDeといったステーキング商品を活用し、自動的な利回りの最適化を目指す。
このファンドは、仮想通貨の管理や個別銘柄の選定に慎重な機関投資家のニーズに応えることを目的としている。
特に、仮想通貨 長期保有を検討する機関投資家にとって、このようなファンドはポートフォリオの一部として有効だ。
ファンドの構成には主要銘柄に加え、選定されたアルトコインも将来的に含まれる可能性がある。
伝統的なファンド構造と、仮想通貨由来の利回り生成を組み合わせることで、市場のギャップを埋めることを目指す。
このファンドは、規制遵守も重視しており、リスク管理を厳正に行うことで、機関投資家(年金基金など)が求める厳しい基準を満たせるように設計されている。
提携背景と今後の展望
今回の提携は、トークン化された現実資産市場の成長と、DeFiの利回り戦略に対する機関投資家の関心の高まりを背景に実現した。
セキュリタイズは資産のトークン化を担当し、マントルは資金提供とDeFi関連の技術統合を担う。これは、伝統的金融(TradFi)と分散型金融(DeFi)のエコシステムが協力する動きとして注目される。
MI4ファンドの初期展開は、2025年第2四半期に予定されている。