米国証券取引委員会(SEC)は31日、暗号資産(仮想通貨)ファンドBitwise Asset Management(ビットワイズ・アセット・マネジメント)のビットコインとイーサリアムの統合型ETF(上場投資信託)を承認した。
SECが迅速な承認を行ったことで、仮想通貨市場に新たな動きが出ている。
SECが2024年1月30日に公開した承認書によると、このETFの資産配分はビットコインとイーサリアムの市場時価総額比率に基づいて決定されるとのことだ。
この決定は、トランプ政権下のSECが仮想通貨関連の金融商品に対し、前向きな姿勢を示す転換点となる可能性がある。
Trump administration may unfreeze M&A.
Large corporates — mag 7, etc — may finally be able to wield their market cap. Amazon could buy Instacart. Google could buy Uber. etc etc
The big may get bigger, and the middle may shrink.
If that happens, I think it will accelerate…
— Hunter Horsley (@HHorsley) January 5, 2025
Bitwiseは規制の明確化を求め、積極的に動いていた。同社が米国内の金融アドバイザー約430人を対象に行った調査によると、今後仮想通貨への投資を進める上で最も重要な要因は「明確な規制」だった。
そのうち55%のアドバイザーが規制面への懸念を抱いていることが判明。また、「より良い教育」を挙げたアドバイザーも42%いた。
BitwiseETFの詳細
今回承認されたBitwise Bitcoin-Ethereum ETF(ビットワイズ ビットコイン・イーサリアムETF)は、ビットコインとイーサリアムの現物価格に連動するように設計されている。両資産の市場時価総額に基づき、配分比率が決定される仕組みだ。
承認時点でのETFの構成比率は、ビットコインが約83%、イーサリアムが17%となっている。この比率は、仮想通貨市場における両銘柄の大きな影響力を反映している。
BREAKING:
THE 🇺🇸 U.S. SEC HAS APPROVED
BITWISE'S COMBINED BITCOIN-
ETHEREUM ETF. pic.twitter.com/idQQQvaGGF— Ash Crypto (@Ashcryptoreal) January 31, 2025
ETFには、流動性と安定性を確保するための現金準備も含まれる。カストディ(資産保管)サービスは仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)、現金の管理業務は米金融機関Bank of New York Mellon(バンク・オブ・ニューヨーク・メロン)が担当する。同ETFは米証券取引所NYSE Arcaに上場予定だ。
このハイブリッド型ETFにより、投資家はビットコインとイーサリアムの両方に手軽に投資できる。機関投資家と個人投資家の双方にとって、仮想通貨投資の選択肢が広がるだろう。
ETFの承認プロセスが通常より大幅に早まったことは、SECが仮想通貨に対する姿勢を変化させていることを示唆している。一般的にSECの審査には240日程度かかるが、今回はBitwiseのETFが45日で承認された。
また、Ripple Labs(リップルラボ)とSECの訴訟問題に関する情報が、SECの公式サイトから削除されたことも注目されている。
2020年12月から続いていた裁判の記録がSECのサイトから消えたことで、仮想通貨コミュニティでは、SECの新体制がRipple(リップル)との対立を終わらせるのではないかとの見方が出ている。