米SECは29日、暗号資産(仮想通貨)のETPにおける現物での拠出・償還を承認した。
この決定は、これまで現金決済のみに限定されていたモデルからの大きな転換点となる。
I'm pleased to share the SEC approved in-kind creations and redemptions for crypto ETPs. The approvals continue to build a rational regulatory framework for crypto, leading to a deeper and more dynamic market, which will benefit all American investors. https://t.co/UbQ9pXlBpD pic.twitter.com/DX8ub16Ey3
— Paul Atkins (@SECPaulSAtkins) July 29, 2025
現金決済から現物取引へ、市場効率化を促進
機関投資家は、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)のETPシェアを、現金ではなく原資産である仮想通貨と直接交換できるようになる。
今回の承認は、仮想通貨ETPの取引メカニズムを、金や石油といった他のコモディティETPの基準に合わせるものだ。
現物での拠出・償還は、認定参加者が発行体と直接仮想通貨をやり取りする仕組みだ。
これにより、現金化に伴う取引費用やカウンターパーティーリスクが軽減される。
米SECのジェイミー・セルウェイ市場取引部長は、このメカニズムが発行体、認定参加者、そして投資家にとって、より高い効率性とコスト面の利点をもたらすと述べた。
現金決済を介さないことで、市場のボラティリティによる影響を受けにくくなり、より円滑な取引が実現する見込みだ。
規制の近代化と機関投資家参入への期待
米SECのポール・アトキンス委員長は、目的に合った仮想通貨の規制枠組みを構築する重要性を強調した。
今回の措置は、規制を近代化し、デジタル資産市場への幅広い機関投資家の参加を促すための重要な一歩と位置づけられている。
この変更は、既に承認されている現物のビットコインやイーサリアムETFにも遡って適用される。
ブラックロック、フィデリティ、ヴァンエックといった大手発行体もこの変更の影響を受ける。
業界関係者からは、今回の決定が仮想通貨規制の新たな日であり、運用の複雑さを軽減し、主流の投資家を惹きつける可能性があると歓迎の声が上がっている。
市場の流動性が深まり、価格の安定にも寄与することが期待される。
特に、イーサリアムのような主要なアルトコイン市場への影響も注目されている。