ロシア国営兵器メーカーのロステックは3日、法定通貨担保型ステーブルコインRUBxを年内に立ち上げる計画を明らかにした。
この暗号資産(仮想通貨)はロシア・ルーブルに1対1の比率で価値が固定され、決済プラットフォームRT-Payを通じてルーブルのデジタル化を推進する。
ロステックは、この取り組みがロシアの金融システムの近代化に貢献するとしている。
Russian military-industrial giant Rostec plans to roll out a ruble-pegged stablecoin called RUBx on Tron. And a payments platform to boot.
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— Decrypt (@DecryptMedia) July 4, 2025
トロン基盤のデジタルルーブル、制裁回避が狙いか
RUBxは、トロン(TRX)ブロックチェーン上で構築される。
トロンは処理能力が高く手数料が低いことで知られており、独自のブロックチェーンを開発する必要なく、大規模な普及に対応できる。
このプロジェクトの背景には、欧米による金融制裁の影響を軽減する狙いがある。
RUBxは、国境を越えた取引において、既存の金融システムに代わる手段を提供することを目指している。
このような法定通貨担保型のステーブルコインは、価格の安定性を目指して設計されており、国際送金などでの活用が期待されている。
発行とコンプライアンスはロステックが自社プラットフォームで管理し、各トークンはルーブルの準備金によって完全に裏付けられる。
これにより、物理的な通貨と同等の法的価値を確保する。
RT-Payシステムは、ブロックチェーン基盤の金融サービスをロシアの既存の銀行インフラに統合し、効率的な決済やスマートコントラクトの実行を可能にする計画だ。
規制遵守と技術的透明性を両立
ロステックは、RUBxがロシア中央銀行のガイドラインに準拠していることを強調している。
ロシア国内では仮想通貨に対する規制が強化される一方で、国家管理下での活用も模索されている。
また、マネーロンダリング対策やテロ資金供与対策に関する厳格な規約も遵守する方針だ。
技術的な透明性と安全性を確保するため、スマートコントラクトはセキュリティ監査企業CertiKによる監査を受け、その内容はGitHubで公開される予定だ。
さらに、準備金の一部はオフラインのコールドウォレットで保管され、多層的なウォレット保護策も講じられる。
将来的には、新しい仮想通貨のRUBxを主要な仮想通貨取引所やウォレットに上場させる計画もある。
ロステックはこれにより、国内外の市場におけるRUBxの有用性を拡大し、企業向けのdAppsなどでの活用を促進したい考えだ。
このプロジェクトは、ロステックのアレクサンドル・ナザロフ副総局長らが監督している。