ナスダック上場のビットコイン(BTC)マイニング企業ライオット・プラットフォームズ(Riot Platforms)は5日、2025年4月に475BTCを売却したと発表した。
これは同社にとって2024年1月以来のまとまったビットコイン売却であり、長年続けてきた100%保有戦略からの大きな転換点となる。
保有戦略の転換と売却の背景
売却されたのは、同社が4月中に採掘した463BTCと、準備金から取り崩した12BTCの合計475BTCである。
売却による収益は約3880万ドル(約55億8700万円)に上り、1BTCあたりの平均売却価格は約8万1731ドル(約1177万円)だった。
Riot Platformsは2024年1月以降、採掘したビットコイン(BTC)を全て保有する方針を貫いてきた。
今回の売却について、同社のジェイソン・レスCEOは、事業運営に必要な資金を確保し、株式発行による資金調達への依存度を下げるための戦略的な判断だと説明している。
設備投資や新たなAI(人工知能)関連事業への資金需要が背景にある。AI関連事業への投資は注目される動きである。AIとAI 仮想通貨の組み合わせには将来性があるとの見方も出ている。
生産量減少と今後の戦略
一方で、同社の4月のビットコイン生産量は463BTCとなり、前月の533BTCから約13%減少した。これは、ビットコインネットワーク全体の採掘難易度が上昇したことが主な要因だ。
ネットワーク難易度の上昇は、同じ計算能力で得られるビットコインの量が減ることを意味する。
今回の売却判断には、運転資金の必要性に加え、機関投資家による仮想通貨 投資の広がりや、比較的安定した市場価格といった市場環境も影響したとみられる。
同社はまた、現在の米国政権下における規制動向と成長戦略を整合させる意向も示している。
Riot Platformsは売却と並行して、1億ドル(約144億円)相当のビットコインを担保としたローン契約も締結した。
これにより、さらなる準備金の売却を避けつつ、流動性を強化している。
また、同社はビットコインマイニング企業Rhodium社から125メガワット(MW)の電力容量を取得する契約に関連する全ての訴訟を解決したことも発表しており、事業運営の効率化を図っている。
今回の売却にもかかわらず、Riot Platformsは依然として相当量のビットコイン準備金を保有している。
同社は今後も、米国内でのマイニングインフラの拡張に注力する長期的な戦略を維持する方針だ。この戦略の行方やビットコインの今後の動向には、引き続き注意が必要だ。