株式会社リミックスポイントは8日、代表取締役社長CEOの役員報酬全額をビットコイン(BTC)で支払うと明らかにした。
東京証券取引所に上場する企業が、CEOの報酬全額を暗号資産(仮想通貨)で支払うのは国内初の事例となる。同社の仮想通貨を中心とした経営戦略が色濃く反映された決定だ。
報酬ビットコイン化の背景
この決定の背景には、日本の法規制および株主からの要望がある。
日本では、インサイダー取引規制により上場企業の役員が自社株を報酬として受け取ることに制限があるため、リミックスポイントは代替手段としてビットコインを選択した。
また、この動きは、経営陣に株主とリスクや利益を共有する姿勢を求める声にも応えるものだ。
同社は、自社株の価格がビットコインの値動きと連動する傾向があると認識しており、ビットコインによる報酬が株式インセンティブの代替になり得ると判断した。
CEOの決意と今後の展望
リミックスポイントの高橋由彦CEOは、「私の報酬全額をビットコインで受け取ることは、株主の皆様と同じ船に乗っているという明確な意思表示です」と述べ、自身のコミットメントを示した。
同社はエネルギー、ウェブ技術、そして仮想通貨の交点で事業を展開しており、ビットコインを中核資産と位置付けている。
今回の取り組みは、ビットコインを企業構造に制度的に組み込むことを目指したものであり、円安へのヘッジや、経営陣と投資家が経済的経験を共有する手段としての活用が期待されている。
発表後、同社株はわずかに上昇し、市場がこの戦略を肯定的に評価したとみられる。
このような企業の動きは仮想通貨長期保有に対する新たな視点を提供するものとも言えるだろう。