ポリゴン(POL)の共同創設者であるジョルディ・ベイリナ氏は18日、独自の技術革新を図る目的で新たな独立プロジェクトZiskを立ち上げた。
このプロジェクトは、低遅延で運用可能なオープンソースのゼロ知識仮想マシンzkVM技術の開発に特化するものである。
ポリゴンラボから独立
Ziskは、2024年5月よりPolygon Labs内において事業育成プログラムの一環として取り組まれてきたプロジェクトだ。
同プロジェクトは、13日にスピンオフを完了し、関連する全知的財産および中核の開発チームが、ベイリナ氏所有のスイス企業SilentSig GmbHに移管された。
ベイリナ氏はポリゴンの共同創設者としての肩書を維持し、引き続きアドバイザーの立場から同社に技術支援を提供する。
この動きは、ポリゴンが利用率低迷のためにzkEVMネットワークの段階的廃止を決定した背景と連動している。
ポリゴンは今後、Polygon PoSのネットワーク強化と、クロスチェーン集約プロトコルAggLayerの開発加速にリソースを注ぐ方針だ。
専門技術への集中と今後の展望
今回の独立により、ベイリナ氏はポリゴンの広範なエコシステムに左右されず、自由にzkVM技術の進展に取り組む体制を整えた。
zkVMはゼロ知識仮想マシンとして、イーサリアム(ETH)のスケーラビリティ問題の解決に重要な役割を果たすと見られている。
Ziskは、分散型アプリケーションやプライバシー保護プロトコルにおける特定の需要に応じ、zkVM検証の専門知識を基盤にしたソリューションを追求する計画だ。
また、同プロジェクトはベイリナ氏の培われた専門知識を最大限に活用し、将来的にポリゴンのエコシステムと連携可能なスケーラブルなzkVMソリューションの開発を目指す。
この戦略的転換は、仮想通貨分野における現実的なリソース配分の必要性を反映したものである。
同動きは、技術革新と運用効率のバランスを取る試みとして評価されるだろう。