NYSE、ビットワイズのイーサリアムETFでステーキングを申請

私たちを信頼する理由
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ニューヨーク証券取引所の取引フロアに置かれたイーサリアムとステーキング報酬の視覚化

ニューヨーク証券取引所(NYSE)は20日、ビットワイズのイーサリアムETFにステーキング機能を追加することを米国証券取引委員会(SEC)に提案した。

この提案が承認されれば、投資家はETFを通じてイーサリアム(ETH)をステーキングし、価格上昇による利益に加えて追加の収益を得られるようになる。これは規制された投資商品を通じて暗号資産(仮想通貨)のステーキング報酬にアクセスできる新たな選択肢となる。

ETFにステーキング機能を導入する意義

イーサリアムのステーキングは、同ネットワークが2022年にプルーフ・オブ・ステーク(PoS)モデルに移行して以降、重要性を増している。投資家はイーサリアムをロックアップすることで、ネットワークの安全性維持に貢献し、その見返りとして報酬を受け取ることができる。

この動きは、従来の金融商品を通じて仮想通貨エコシステムへの積極的な参加に対する機関投資家の関心の高まりを反映している。ブラックロックのロバート・ミチニック氏など業界関係者からは、現行のイーサリアムETFにステーキング報酬がないことが制限として指摘されていた。

規制上の課題と市場への影響

SECはこの提案を審査するにあたり、市場の健全性、投資家保護、不正行為の可能性などの懸念に対処する必要がある。承認されれば、仮想通貨ステーキングを含む将来の仮想通貨ETFに重要な先例を設定する可能性がある。

投資家にとって、この提案が承認されれば、ビットワイズのイーサリアムETFはステーキング報酬を提供することで魅力が増し、時間の経過とともにファンドの純資産価値を向上させる可能性がある。

ETFへのステーキング統合が持つ将来性

ETFにステーキング機能を統合することは、技術的および規制上の複雑な課題を伴うが、これらの課題が解決されれば円滑な実行が可能になる。この提案の承認は、他のETF発行者からも同様の提案を促す可能性がある。

将来的には、こうした動きが仮想通貨ベースの金融商品の主流市場への統合をさらに進め、伝統的な金融とブロックチェーン技術の融合を加速させるだろう。米国での仮想通貨ETFの進化は、世界中の規制当局や金融機関にとっても重要な参考事例となる可能性がある。

ビットコイン(BTC)市場の成熟とともに、こうした伝統的金融商品との融合が進むことで、より多くの機関投資家や保守的な個人投資家が仮想通貨市場に参入する道が開かれると期待されている。

佐々 道幸

日本版ICOBench編集者。2016年から仮想通貨投資を開始し、NFTへの投資経験も持つ。20年よりライターとしてのキャリアをスタートし、24年08月、日本版ICOBenchに参画。専門分野はクリプト、ブロックチェーン、Web3。