ノースカロライナ州、9.5億ドル規模のビットコイン準備金法案を提出

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ノースカロライナ州議事堂とビットコインのロゴ

ノースカロライナ州は19日、州の公的資金の最大10%をビットコイン(BTC)に配分する「ビットコイン準備金法案SB327」を提出した

この法案は、ノースカロライナ州を州レベルの暗号資産(仮想通貨)採用における先駆者として位置づける広範な戦略の一環だ。

同州の一般基金は現在95億ドル(約1兆4250億円)規模で、最大配分を実施した場合、9億5000万ドル(約1425億円)相当のビットコイン投資となる可能性がある。

厳格なセキュリティ措置と管理体制

法案にはビットコイン保有に関する厳格なセキュリティ対策が含まれており、マルチシグネチャによるコールドウォレットの使用と月次監査が義務付けられている。

ビットコイン準備金の流動化には州議会の3分の2以上の承認が必要とされ、深刻な金融危機の状況下でのみ許可される。

また、州財務長官はステーキングや貸出などの規制された利回り創出活動に参加する権限も与えられる。この動きは、インフレや経済的不確実性に対するヘッジとしてのビットコインの可能性を評価したものと見られる。

複数の仮想通貨関連法案の検討

ノースカロライナ州は現在、上院のSB327法案と下院のHB92法案という2つのビットコイン関連法案を検討している。

HB92法案は州資金の最大10%をデジタル資産に投資することを提案しており、特に市場規模7500億ドル以上の上場投資商品(ETP)を対象としている。

両法案は、州の公的資金をデジタル資産へと多様化する強い関心を示すものだ。これらの法案の導入は、仮想通貨採用の広範なトレンドや、経済的不確実性の時代における価値保存手段としてのビットコインへの投資家の関心の高まりと一致している。

専門家委員会の設立と将来展望

法案ではビットコイン経済諮問委員会の設立も提案されている。この委員会は、ビットコイン準備金の管理に関するガイダンスを提供し、州がデジタル資産投資の複雑さを乗り越えながら業界の専門知識を活用できるようサポートする。

さらに、法案ではマイニング事業の実施も検討されており、これにより州のビットコイン保有量をコスト効率良く増加させる可能性もある。

この動きは、米国の州政府レベルでの仮想通貨採用が拡大する傾向を示すものであり、今後他州にも影響を与える可能性がある。

ノースカロライナ州のこの取り組みは、ビットコインが限定的な供給量と分散型の性質を持つことから、州の経済的地位を強化し、金融セクターにおける革新者として位置づける戦略的な準備資産を提供する可能性があると支持者たちは主張している。

松田 明日香

暗号資産投資を2020年に始め、ビットコインやNFT、DeFiなど複数の分野で投資経験を有する。2025年1月にICOBenchに参加し、専門的な暗号資産ライティングを手掛けている。