米取引所大手のナスダック(NASDAQ)は23日、スイス資産運用企業の21Sharesが運用する「21Shares スイ(SUI)上場投資信託(ETF)」の上場承認を米証券取引委員会(SEC)に申請した。
この申請が通れば、機関投資家はスイブロックチェーンの主要トークンであるSUIに、より安全で規制された形で投資できるようになることが期待される。
規制承認プロセスの進展
ナスダックは、証券取引法第19条(b)(2)項に基づき、当該ファンドの株式をナスダック市場で上場・取引するための承認を求める「フォーム19b-4」をSECに提出した。
21Sharesはすでに4月に「フォームS-1」をSECに提出済みであり、今回の申請は規制承認に向けた重要な手続きの一歩となる。
SECはこれまで仮想通貨ETFの承認を遅らせる傾向があるため、最終的な承認時期は依然として不透明だ。
しかし、今回の19b-4申請は、承認に向けて手続きが大きく前進したことを示している。
エコシステムの課題と対応策
5月中旬、スイベースのプラットフォーム「Cetus」が2億2300万ドル(約321億円)のハッキング被害を受け、スイエコシステムの安全性に関する懸念が浮上した。
スイネットワーク側は、このハッキングがCetusの数学ライブラリの脆弱性に起因するものであり、Suiプロトコル自体の問題ではないと説明している。
この事件を受け、スイは防御体制強化のため1000万ドル(約14.4億円)のセキュリティファンドを設立した。
盗まれた資金のうち1.6億ドル(約230億円)はすでに凍結されており、残りの6300万ドル(約90億円)の回収に対して600万ドル(約8億6400万円)の報奨金が設定されている。
21Sharesは、米国でSUIに特化したETF上場を求める初の企業だ。
SUI ETFの承認は、SECが規制への準拠状況と市場リスクをどのように評価するかによって決定する。
21Sharesは、アルトコイン市場にてスイエコシステムが成長し、開発者や機関投資家のユーザーが増えることを重視して戦略を立てている。