Lunar Digital Assetsは31日、ライトコイン(LTC)エコシステム向けのゼロ知識証明レイヤー2ネットワーク「LitVM」の開始を発表した。
2011年に開始されたライトコインにスマートコントラクト機能を導入し、分散型金融(DeFi)分野への本格参入を目指す取り組みとなる。
LitVMはBitcoinOSとポリゴン(Polygon)のチェーン開発キット(CDK)を基盤として構築されており、ライトコイン財団による支援を受けている。これにより、従来は取引効率に特化していたライトコインが、プログラマブルな決済やリアルワールドアセット(RWA)のトークン化といった新たな用途に対応可能となった。
13年の歴史を持つライトコインの戦略転換
ライトコインは2011年の開始以来、ビットコインの軽量版として位置づけられ、主に効率的な取引処理に焦点を当ててきた。今回のLitVM導入は、同ネットワークにとって大きな戦略転換を意味する。
LitVMはゼロ知識ロールアップ(ZK-Rollup)技術を採用し、イーサリアム仮想マシン(EVM)との完全互換性を持つ。これにより、イーサリアムエコシステムとの連携を図りながら、ライトコインの持つセキュリティと分散化の利点を活用できる構造となっている。
ネットワークはAggLayerを介したクロスチェーン流動性や、信頼性の高いブリッジング機能、時間制限付きトークン化資産のサポートを実現している。さらにRunesやLordinalsなどの文化的オンチェーン資産や、ステーブルコイン決済インフラにも対応している。
技術パートナーシップとエアドロップイベント
LitVMの実現には、BitcoinOSとポリゴンCDKとの技術連携が決定的な役割を果たした。BitcoinOSはビットコインメインネット上でZK証明を実行可能にした実績があり、ポリゴンCDKがZKロールアップの基盤を提供している。
サービス開始に合わせ、205アルファポイント以上を保有する対象ユーザーには130TAIKOトークンのエアドロップが実施される。このイベントは5月31日から開始され、LitVMの初期普及を促進する役割を担っている。
発表はラスベガスで開催されたライトコインサミットで行われ、ライトコイン創設者チャーリー・リー氏は「セキュリティと信頼性を維持しつつ、スマートコントラクト時代に移行する」と述べた。同氏は、2011年のネットワーク立ち上げ時から一貫した設計思想を強調している。