英国上場の金融サービス大手IG Groupは2日、個人投資家向けに暗号資産(仮想通貨)の現物取引サービスを開始すると発表した。
IG Groupが提供する暗号資産現物取引サービスの詳細
同社はこれまで仮想通貨の差金決済取引(CFD)を提供していたが、今回の新サービスにより投資家は実際に暗号資産を所有できるようになる。
取り扱い銘柄はビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、リップル(XRP)などの主要銘柄に加え、ドージコインやBONKなどを含む31種類に及ぶ。これらのミームコインは、特に若い世代の投資家からの関心が高いとされている。
Upholdとの提携で安全性を確保
新サービスは米英両国で規制を受けるUphold社との提携により実現した。Uphold社が取引執行、カストディ、価格データの統合を担当し、IG Groupの既存プラットフォームに仮想通貨取引機能を組み込む形となる。
これにより投資家は株式やCFDなどの他の金融商品と同じプラットフォームで暗号資産取引を行えるようになった。
同社の英国マネージングディレクターであるマイケル・ヒーリー氏は、今回のサービス開始を「英国の仮想通貨発展における重要な節目」と評価している。個人投資家にとって信頼できる仲介業者としての役割を果たすことを強調した。
市場需要の変化に対応
今回のサービス拡張は、個人投資家の間でCFDよりも現物取引への需要が高まっていることを受けた戦略的な転換を示している。CFDでは価格変動に対する投機は可能だが、実際の資産所有はできない。
一方、現物取引では投資家が直接暗号資産を保有し、長期的な投資戦略を実行できる。
IG Groupは既存の取引プラットフォームに仮想通貨機能を統合することで、投資家が複数のアカウントを管理する必要なく、様々な資産クラスにアクセスできる環境を提供した。この統合アプローチにより、従来の金融商品と暗号資産の間でスムーズな取引が可能になる。
今回の英国市場での展開を皮切りに、Uphold社との提携を活用した国際展開も視野に入れているとみられる。