香港デジタルドル実用化へ HSBCが検証プロジェクト完了

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私たちを信頼する理由
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香港ドルを模したデジタル通貨とHSBCのロゴ

香港最大の銀行HSBCは10日、香港ドルのデジタル通貨(e-HKD)を使った実証実験を複数のブロックチェーン上で完了した

香港金融管理局の、e-HKD+プロジェクトの一環で、同通貨の導入に向けた支援を目的としている。

実証実験の背景と目的

今回の実験は、香港の金融インフラを近代化するという香港金融管理局の規制支援を背景に実施された。これは、香港がトークン化金融の世界的ハブを目指す広範な取り組みの一環だ。

実験では、イーサリアム、アービトラム、リネア、ポリゴンなどのパブリックブロックチェーンと、Hyperledger Besuを基盤とするプライベートブロックチェーンを活用。

技術的課題としては、システムの拡張性やプライバシー、セキュリティといった実装上の障壁が挙げられ、これらの克服に向けて、プライバシー強化技術や分散型IDソリューションなども検証された。

実証と並行して、法人顧客向けにオンチェーン決済サービスも開始している。

市民の関心と今後の展望

2025年4月に実施された住民調査では、回答者の90%がe-HKD導入にあたってプライバシーを最重要事項に挙げた。

また、約3分の1がデジタル資産取引でのe-HKD利用に関心を示すなど、市民の関心も高まっている。こうした背景には、一般的な暗号資産(仮想通貨)への関心の高まりもあるとみられる。

HSBCは、国境を越えた決済を目指す、mBridgeやデジタル資産の相互運用性を追求するプロジェクト・アンサンブルなど、香港金融管理局が主導の他の取り組みにも参加している。

同社は2025年後半に、今回の実験から得られた知見を共有し、e-HKDの本格導入に向けた香港金融管理局の戦略に貢献するとしている。

今後も規制当局や業界関係者との連携を重視し、香港のデジタル通貨エコシステムの発展を推進していく方針だ。

著者: 白石 一颯

仮想通貨・ブロックチェーン分野を中心に、最新ニュースや規制動向、プロジェクト分析などを取材・執筆。国内外の信頼性ある情報源をもとに、読者に正確で有益なコンテンツを届けています。専門性と透明性を重視し、投機に偏らない情報提供を心がけています。