ゲーム大手gumiは11日、SBIホールディングスと共同で上場暗号資産(仮想通貨)を運用対象とする投資ファンドの組成を決定した。
ファンド規模は数十億円程度で、機関投資家を対象とした私募形式で3年間運用される。両社は2022年の資本業務提携を基盤に、新たな金融市場創出を目指す。
合弁会社で運用、SBIが過半数出資
今回設立するファンドは合弁会社形式で運営される。出資比率はSBIホールディングスが51%、gumiの戦略子会社であるgC Labsが49%となる。
匿名組合の形態を採用し、主に法人投資家からの資金調達を想定している。
ファンドの特徴は、単純な仮想通貨保有にとどまらず、DeFi戦略を積極的に活用する点だ。
ステーキングやイールドファーミング、流動性供給といった手法を通じて、キャピタルゲインとインカムゲインの両方を追求する。
gumiは内部検証において、ビットコイン(BTC)の値動きに対して優位性を持つ運用成果を確認しており、この実績をファンド運用に活かす方針だ。
急成長する仮想通貨市場に対応
ファンド組成の背景には、新しい仮想通貨市場の急速な拡大がある。
市場規模は500兆円規模まで成長し、各国でのビットコイン現物ETFの承認やDeFi技術の進展により機関投資家の資金流入が加速している。
gumiは2018年のgumi Cryptos Capital設立以来、ノード運営やブロックチェーンゲーム開発を通じて暗号資産分野での事業を展開してきた。
2022年にSBIグループと資本業務提携を締結し、gC Labsが手掛けるノード運営事業でSBIとの連携を深めてきた経緯がある。
同社は11日、10億円相当のビットコインを購入したことも併せて発表した。平均購入価格は1243万円で、80.352BTCを取得している。
将来的には一般投資家にも展開
両社は今回のファンドを皮切りに、将来的には一般投資家向けの商品展開も視野に入れている。
SBIホールディングスが持つ金融サービスの知見とgumiのブロックチェーン技術を組み合わせ、先進性の高い金融サービスとして高いパフォーマンス実現を目指す。
gumiは11日発表の2025年4月期決算で、ブロックチェーン等事業の売上高が前期比86.9%増の24億8800万円と大幅増収を記録している。
仮想通貨市場への機関投資家参入が本格化する中、既存の金融機関と新興のブロックチェーン企業の協業モデルとして注目される。