破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所のFTXは30日、債権者への第2回支払いとして50億ドル相当のステーブルコインの配布を開始したことを発表した。
資金は1~3日以内に債権者へ到着する見込みで、一部の元FTX利用者は既に支払いを受け取っている。
この配布は2022年11月のFTX破綻以降、破産手続きにおける重要な節目となる。 今回の支払いは主にUSD Coin(USDC)、テザー(USDT)、バイナンスUSD(BUSD)などのステーブルコインで構成され、個人投資家、機関投資者、取引債権者を含む適格な債権者へ送金された。
配布は東部時間午前9時頃に開始され、裁判所の承認を受けた手続きに沿って実施されている。
史上最大級の仮想通貨資産回収
今回の50億ドルの支払いは、仮想通貨業界史上最大級の資産回収案件の一つとなった。 この金額は流通するステーブルコイン総供給量の約2%に相当する。
FTXは18カ月にわたる資産回収期間を経て、破産手続き下での資産回収と再配布に着実な進展を示している。
支払いは債権者のウォレットへ直接送金される仕組みである。 早期の報告によれば、一部の利用者は既に資金を受け取っている。
この配布により、長期にわたって凍結されていた資金が市場へ戻ることになる。
仮想通貨市場への影響に注目
アナリストらは、大規模な資金流入が仮想通貨市場に与える影響を分析している。 債権者が受け取った資金をビットコイン(BTC)やアルトコインへの投資に充てた場合、強気相場の引き金となる可能性がある。
特に注目されるのは、主要なアルトコインへの資金流入であり、市場全体の動向を左右するかもしれない。
一方で、一部の債権者が現金化を選択すると、売り圧力が生じる可能性も指摘されている。 オンチェーンデータ(ブロックチェーン上の取引記録)によると、最近は取引所からのステーブルコイン流出が鈍化していた。
しかしFTXからの資金流入により、この傾向が逆転し、取引活動と流動性の向上が期待される。 業界関係者は、ウォレットから取引所への資金移動や、広範な仮想通貨市場での楽観的なムード下での資本配分を注視している。