暗号資産(仮想通貨)全体の時価総額は12日、前日比-0.73%安を記録し、約3.49兆ドルで推移している。
仮想通貨市場は米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策動向を注視している。5月7日の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利は市場予想通り据え置かれた。
パウエルFRB議長は金利調整を急がない慎重姿勢を表明し、関税によるインフレや失業リスクも警告しました。
この結果、6月の利下げ期待は大幅に後退。市場が織り込む据え置き確率は9割を超え、以前の約3割が利下げを期待した状況から一変しました。
金融政策の先行き不透明感や政治的リスクが交錯するものの、中期的な回復期待から一部アルトコインへの関心は依然として続いています。
以下、FRB利下げ期待の中、注目すべき4銘柄について解説する。
サブド(SUBBD)
サブド(SUBBD)は、AIとブロックチェーン技術を融合させ、クリエイターエコノミーの新たな形を提示するプロジェクトだ。
ERC-20規格のネイティブトークンSUBBDは、MetaMaskやTrust Walletなどの主要ウォレットに対応。プラットフォームには高水準なAIアシスタントやコンテンツ生成ツールが実装される予定だ。
ファンはSUBBDを使って限定コンテンツや特典、特別な体験を入手でき、クリエイターはこれらの先進的なツールで活動を強化できる。
総発行枚数は10億枚で、そのうち2億枚が先行セールで提供中。資金調達額は既に13万2千ドルを超えている。
今後は、年利20%の報酬が期待されるステーキング機能やβ版のリリースも予定されており、AIとコミュニティ主導で市場拡大を目指している。
SUBBDは、仮想通貨投資とクリエイター支援の未来を切り開く存在として注目されている。
リップル(XRP)
リップル(XRP)は、Ripple社が開発に関わるXRP Ledger上で利用されるネイティブなデジタル資産だ。
その最大の特徴は、国際送金を迅速かつ低コストで実現することにあり、数秒での決済完了と従来の送金手段に比べ格段に安い手数料を誇る。
これにより、金融機関のクロスボーダー決済における「ブリッジ通貨」としての役割が期待されている。
しかし、現在も米国証券取引委員会(SEC)との間で「リップルが未登録有価証券にあたるか」を巡る訴訟が続いており、この法的な不確実性が価格の大きな変動要因かつ上値の重石となっている。
訴訟の判決や和解の行方が、今後のリップルの普及と価格を左右する最重要ファクターだ。
テクニカル分析面では、50日移動平均線などの主要な移動平均線やオシレーター(AOなど)が注目され、トレンド転換やモメンタム変化(勢いの変化)のシグナルとして利用されている。
FRBの発言などマクロ経済要因による市場全体の心理状況も価格に影響を与えている。
訴訟問題がクリアになり、規制環境が好転すれば、その技術的な優位性から、米国を拠点とするアルトコインの中でも、特に仮想通貨投資対象として魅力が増すと考えられている。
ソラナ(SOL)
ソラナ(SOL)は、トランザクション(取引)の高速処理と低い手数料を実現することを目指したブロックチェーンプラットフォームおよびそのネイティブトークンだ。
独自のコンセンサスアルゴリズム「Proof of History(PoH)」と「Proof of Stake(PoS)」を組み合わせることで、高いスケーラビリティ(処理能力)を達成している。
この高速・低コストという特徴から、「イーサリアムキラー」の一つとして注目を集めている。
また、分散型金融(DeFi)、非代替性トークン(NFT)、Web3ゲームなど、多くの分散型アプリケーション(dApps)がソラナ上で開発・展開されている。
エコシステムは急速に拡大しており、開発者やユーザーからの関心も高い。市場では、その技術的な優位性やエコシステムの成長期待から、重要な仮想通貨投資先コインの一つと見なされている。
時価総額も上位に位置することが多く、取引も活発に行われている。
一方で、過去にネットワークが一時停止するなどの事象もあり、ネットワークの安定性維持が継続的な課題とされている。今後の技術的な改善やアップデート、プロジェクトの進展が注目されている。
チェーンリンク(LINK)
チェーンリンク(LINK)は、ブロックチェーン上のスマートコントラクト(自動契約承認)に対して、現実世界のデータやイベント情報などを安全・確実に接続するための分散型オラクルネットワークだ。
スマートコントラクトは通常、ブロックチェーン外部の情報に直接アクセスできないため、チェーンリンクのようなオラクルは、その実用性を大幅に拡張する上で不可欠な役割を担う。
具体的には、価格フィード(金融市場データ)、気象情報、スポーツの結果などをスマートコントラクトに提供する。
これにより、分散型金融(DeFi)におけるデリバティブ(金融派生商品)、レンディング(貸し借り)、保険、ブロックチェーンゲームなど、多岐にわたるアプリケーションが可能になる。
また、ネイティブトークンであるチェーンリンクは、データを提供するノードオペレーターへの報酬支払いや、ネットワークのセキュリティを担保するためのステーキングなどに使用される。
近年は、異なるブロックチェーン間でのトークンの相互運用性を実現する「CCIP(Cross-Chain Interoperability Protocol)」の開発・提供にも力を入れている。
Web3全体の基盤インフラとしての重要性をますます高めており、多くのブロックチェーンプロジェクトとの提携も進み、その需要の高さから市場の関心も集めている。