欧州委、MiCA下のステーブルコイン互換性指針を公表へ

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EUの旗とステーブルコインのシンボルが描かれた、規制と技術を象徴する画像。

欧州委員会は25日、MiCAにおけるステーブルコインの互換性に関する指針を公表することを明かした

この動きは、フランスの規制当局からのトークン互換性に関する問い合わせに応えるものだ。

EU認可の事業者が発行するステーブルコインと、EU域外の関連会社が発行するものを同等に扱えるかどうかが焦点となる。

この指針は、市場の分断を防ぎ、規制の調和を図ることを目指している。

MiCAの厳格な規制と市場への影響

暗号資産(仮想通貨)に関する包括的な規制であるMiCAは現在、ステーブルコイン発行者に対し、厳しい準備金要件と地理的制限を課している。

特にユーロ建てのステーブルコインでは、準備金の大部分をEU域内に保管する必要がある。

このため、テザー(USDT)やUSDコイン(USDC)のようなEU域外の発行者にとっては、欧州市場での事業展開に障壁が生じている。

一方で、EU内で発行されたステーブルコインは、世界的な普及に課題を抱えているのが現状だ。

提案された新規則により、EU認可のステーブルコインと域外発行のコインが同等に扱われる予定だ。

ただし、後者はMiCAの基準を満たす必要がある。

これにより、海外発行者のEU市場への参入障壁が低減し、仮想通貨市場の流動性と競争が高まることが期待される。

ECBの懸念と規制のバランス

欧州委員会の取り組みに対し、ECBは規制緩和に反対の立場を示している。

ステーブルコインが金融政策を混乱させ、従来の銀行預金を侵食する可能性を懸念しているためだ。

ECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁は、ユーロ圏からの大規模な資本流出など、金融安定に対するリスクについて警告を発している。

ECBは、MiCAの現行規定ではユーロ圏を保護するには不十分であり、より厳格な監督が必要だと主張する。

欧州委員会は、相互運用性による技術革新の促進と、ECBが指摘するシステミックリスクへの対応という、難しいバランスを取ろうとしている。

この指針が承認されれば、ステーブルコインの相互運用性に関する世界的な規制アプローチに影響を与える。

著者: 早下 光

暗号資産ライター。2019年からの仮想通貨市場経験を基に、ブロックチェーン技術の基礎から応用、最新ニュースまで、正確・深い情報で読者の理解をサポートします。