暗号資産(仮想通貨)や株式の取引プラットフォームを展開するイートロ(eToro)は14日、米ナスダック市場に上場した。
同社はティッカーシンボル「ETOR」で取引を開始し、今回の新規株式公開(IPO)で約1192.3万株を1株あたり52ドル(約7600円)で販売した。
世界的な金融プラットフォームeToroの成長
🔔 @eToro is officially #NasdaqListed. Proud to be your exchange partner, $ETOR! 🎊 pic.twitter.com/aT5ZGriMmW
— Nasdaq Exchange (@NasdaqExchange) May 14, 2025
eToroは2007年、イスラエル出身のヨナタン・アシア氏、ロネン・アシア氏、デイビッド・リング氏によって創業された。
同社はSNSのような操作感で株式や仮想通貨など多様な資産の取引ができるのが特徴で、他の優秀な投資家の取引を模倣する「コピー取引」機能で知られている。
今回のIPOでは、約596万株をeToro自身が新規発行し、残る同数が既存株主によって売却された。eToroはこの資金調達により、さらにサービス拡充とグローバル展開を進める見通しだ。
また、2023年3月には2.5億万ドル(約365億円)の資金調達を行い、直前の企業評価額は35億ドル(約5110億円)となっていた。
今回の上場により、企業価値は42億~43億ドル(約6170億~6320億円)に達し、2022年のイスラエル系企業として最大規模のモービルアイ(Mobileye)以来の大型IPOとなった。
仮想通貨市場の動向とeToroの今後
2025年に入り、世界的にIPO市場の活況が戻ってきた。特に高成長が見込まれるテック企業や仮想通貨関連事業への投資熱が高まっており、eToroの株式上場もその潮流の中で注目を集めている。
同社のプラットフォームは、利用者の取引体験をゲーム感覚で提供する点が特徴的だ。仮想通貨、株式、さらに他の金融商品まで幅広くサポートし、個人投資家の参入障壁を下げている。
今回のIPOの価格は事前レンジの46~50ドル(約6700円~約7300円)を上回る52ドル(約7600円)で決定され、需要の強さと投資家からの信頼を示した。
主幹事はゴールドマン・サックス、ジェフリーズ、UBSインベストメントバンク、シティグループが担当し、その他15社が幹事団に名を連ねている。
今後は、仮想通貨や株式の両市場における個人投資家の拡大とeToroのサービス強化が期待されている。今回の上場は、仮想通貨投資の新たな時代を象徴する動きとして、今後も注目が集まりそうだ。