イーサリアム財団は日本時間10日、エコシステム開発の将来像を示す新戦略、The Future of Ecosystem Development at the EFを公表した。
イーサリアム(ETH)の利用者層拡大とインフラ強化を目的としている。
新たな組織構造と4つの重点分野
今回の再編は、企業や政府、一般利用者に至るまで、イーサリアムソリューションへの需要が高まっていることに対応したものだ。
財団は、エコシステムのボトルネック解消や利用者参入の円滑化、強靭性の向上を目指している。
新戦略では、エコシステムの加速、エコシステムの増幅、エコシステムのサポート、長期的なエコシステムの障害除去の4分野を重点領域に設定。それに伴い、組織構造も刷新された。
具体的には、企業連携、開発者育成、アプリ連携・研究、創設者支援の4つの柱を軸にチームを拡大。各ステークホルダーに特化したリソースや指導を提供していく方針だ。
機関投資家の関心と具体的な支援策
今回の戦略転換の背景には、機関投資家によるイーサリアムへの関心の高まりがある。暗号資産(仮想通貨)固有の用途を超えた実用性が広く認識されつつある。
財団は具体的な支援策も進めている。2025年第1四半期には、教育や開発者体験、公共財に関連する101のプロジェクトに対し、総額3200万ドル超の助成金を提供した。
また、エコシステム内の組織に対し、運営やガバナンスの支援を行うLaunchpadプログラムも導入。
エコシステムの強化は、仮想通貨長期保有を前提とした資産形成の環境整備につながる。
戦略的メディアキャンペーンやAIを活用した分析、グローバルな政策提言などを通じ、イーサリアムの普及を妨げる障壁を取り除いていく構えだ。