イーサリアム財団がプロトコル研究開発部門でリストラを実施

私たちを信頼する理由
私たちを信頼する理由
効率化されたイーサリアムネットワークの接続とプロトコル改善を表現する図

イーサリアム財団は2日、プロトコル研究開発(PR&D)部門の一部メンバーをリストラし、同部門を「プロトコル」に改名する組織再編を発表した

新体制では3つの重要領域に集中して開発を進める方針を示した。

プロトコル部門の3つの優先事項

再編された「プロトコル」部門は、イーサリアム(ETH)の技術課題解決に向けて3つの核心領域に焦点を絞る。第1に基盤層(レイヤー1)のスケーリング強化、第2にデータ可用性戦略の要となるブロブスペースの拡張、第3にユーザー体験の改善である。

財団は「PR&Dの一部メンバーは継続しない」と発表したが、具体的な人数は明かしていない。一方で、影響を受けた従業員に対してはイーサリアムエコシステム内の他のプロジェクトへの転職を積極的に推奨している。

コミュニティ批判と戦略転換の背景

今回の組織再編は、イーサリアムが直面している複数の課題への対応策として位置づけられている。コミュニティからはスケーリング解決策の遅延や開発者との連携不足に対する批判が高まっていた。

2025年3月にはHsiao-Wei Wang氏とTomasz Stańczak氏が共同エグゼクティブディレクターに就任し、コミュニティの懸念に対処する体制を整えていた。今回の再編はこの流れを受けた戦略的な方向転換と見られる。

新体制では透明性向上も重視し、より明確なアップグレードスケジュール、技術文書、研究協力機会の公表を進める予定だ。ブロックチェーン分野での競争が激化する中、イーサリアムの技術開発戦略における重要な転換点となっている。

のような戦略転換は、他の主要な暗号資産(仮想通貨)との競争環境を意識したものと言える。特に、市場で大きな存在感を持つビットコインの動向も、引き続き注視される。

著者: 名本 太陽

仮想通貨専門のWebライター。2017年からブロックチェーン業界に携わり、国内外の仮想通貨取引所やDeFiプロジェクトのホワイトペーパー、解説記事、プレスリリースを多数執筆。金融メディアでの連載経験もあり。専門はDeFi、NFT、メタバースで、最新トレンドに基づいた正確かつ分かりやすいコンテンツ制作を得意とする。