イーサリアム(ETH)はこのほど、直近1週間で37.8%上昇した。
今回の上昇は、2021年以来となる週間で大幅な価格上昇となり、現在は2524ドル付近の価格帯で推移している。
背景には、Pectraネットワークアップグレードの進展や大型投資家による買い動向、さらにショートスクイーズの発生が影響している。
Pectraアップグレードが市場心理を押し上げる
今回のPectraアップグレードは、イーサリアムの今後の拡張性やセキュリティ強化を図るロードマップの一環である。
主な改良点には、ステーキングの上限引き上げとウォレット操作の簡素化が含まれ、ユーザーの利便性向上に寄与する。
市場参加者はこれらの変更を好感し、採用拡大とネットワーク効率改善への期待が広がっている。
大型投資家の買いやショートスクイーズが相場を牽引
オンチェーンデータによると、5日から10日までに価格は約12%上昇し、2950ドルから3,300ドルへと急騰した。
また、MVRV(時価総額と実現時価総額の比率)が2020年3月以来の低水準となり、大型投資家が割安と判断した。
さらに、レバレッジを用いた空売りの買い戻し、いわゆるショートスクイーズが上昇圧力を一層強めた。
市場の方向性と今後の展望
5月は例年イーサリアムにとって好調な月であり、過去には平均27.36%の上昇が見られた。 市場分析では、5月末に向けて2500ドルを目指す動きがあるとされる。
テクニカル指標では、一目均衡表やMACD(移動平均収束拡散法)を基に、2129ドルから2900ドルへの上昇余地が予測される。
ただし、ネットワーク利用の低迷や実需に基づく上昇持続性が今後の課題として注目される。
アルトコイン市場全体の動向にも関心が集まる中、今回のイーサリアムの上昇はアップグレード、投資家動向、市場全体の流れが複合的に影響した結果である。
ネットワークの活発度や実用性が価格維持の鍵となるため、引き続き動向を注視するとともに、仮想通貨投資について理解を深めることが重要だ。