ドバイ土地局は25日、トークン化プラットフォーム大手のCtrl Altと提携し、リップル(XRP)レジャー(XRPL)を基盤とした不動産トークン化事業を開始すると発表した。
この取り組みは、中東・北アフリカ(MENA)地域初の本格的な不動産トークン化プロジェクトとなる。
UAE住民は最低2000ディルハム(約7万8000円)の取引で、ドバイの不動産物件を分割所有できるようになった。
テスト段階では取引はUAEディルハムのみで実施され、暗号資産(仮想通貨)は使用されない。
XRPレジャー選択の背景
ドバイ土地局がリップルレジャーを選択した理由は、その信頼性と拡張性にある。同ブロックチェーンは安全なオンチェーン取引を実現し、ドバイの規制要件に準拠している。
Ctrl Altは従来の不動産記録とブロックチェーンベースのトークンを同期させる二重台帳システムを採用し、透明性と法的有効性を確保している。
同社はこれまでに世界で2億9500万ドル(418.9億円)相当の多様な資産をトークン化した実績を持つ。金融工学とブロックチェーンインフラを組み合わせた専門知識が、今回のプロジェクト実現につながった。
市場拡大への戦略的位置づけ
この事業は、ドバイの不動産戦略2033および国家経済成長戦略の「ドバイ経済アジェンダ(D33)」に沿ったデジタル革新の一環として位置づけられている。
ドバイは2033年までにトークン化不動産市場を160億ドル(2兆2720億円)規模に成長させることを目標としており、市場全体の7%に相当する60億ディルハム(約2334億円)の価値創出を見込んでいる。
現在はUAE住民に限定されているが、将来的にはプラットフォームの拡張により世界中の投資家がアクセス可能になる予定だ。
仮想資産規制庁(VARA)やドバイ未来財団との戦略的パートナーシップにより、ドバイの進歩的なデジタル資産関連法規に準拠した運営が保証されている。
投資家は専用プラットフォーム「PRYPCO Mint」を通じて、価格設定やリスク要因、技術仕様などの詳細な物件情報にアクセスできる。
この不動産トークン化事業の成功は、アルトコイン市場全体にとっても重要な前進となる可能性がある。