QCDマネー・マーケット・ファンドが8日、ドバイ金融サービス機構から、同国初のトークン化されたマネー・マーケット・ファンドとして承認された。
このファンドはQCDTとして知られ、ドバイ国際金融センター内での運営が認可された。
カタール・ナショナル銀行が投資マネージャーを務め、DMZファイナンスがブロックチェーン技術基盤を提供している。
ドバイの先進的な規制と金融機関の連携
今回の承認の背景には、ドバイがデジタル金融ハブを目指す国家戦略がある。ドバイ金融サービス機構は、ブロックチェーン技術革新を支援するための規制枠組みを積極的に整備してきた。
ファンドは、カタール・ナショナル銀行の金融における専門知識と、DMZファイナンスのブロックチェーン技術を融合させたものだ。これにより、RWAのトークン化が可能となった。
これは、アート作品や不動産をデジタル資産化するNFTとは異なるが、ブロックチェーン技術の応用という点で共通している。
また、ドバイのゼロ税率政策や先進的な暗号資産(仮想通貨)規制も、多くの機関投資家をドバイ国際金融センターに引きつける要因だ。
こうした環境がデジタル資産分野での新たな挑戦を後押ししている。
トークン化資産市場の成長と活用法
トークン化されたRWAの市場は、2033年までに18兆9000億ドル(約2780兆円)規模に成長すると予測されている。この成長が、QCDTのような機関投資家向けソリューションの需要を後押ししている。
同ファンドの主な用途として、銀行の信用リスク管理を支える担保や、取引所の決済担保などが想定されている。これにより、資産管理における流動性、透明性、効率性の向上が期待される。
さらに、ステーブルコインの準備資産やWeb3決済基盤としての利用も視野に入っている。この動きは、伝統的金融と分散型金融の橋渡し役としてのドバイの地位を一層高めるものといえる。