中国のスタートアップAI企業「DeepSeek」は28日、公式X(旧Twitter)を通じて同社をテーマとする非公式トークンに対する注意喚起を投稿した。
DeepSeekは、App Storeの無料アプリダウンロードランキングで、OpenAIのChatGPTを抑え1位に急浮上し、世界的に注目を集める最新AIモデルだ。この急成長に伴い、非公式トークンが急増している。
非公式トークン、一時時価総額5000万ドル突破
分散型取引所(DEX)での価格や流動性を追跡するDEXSCREENERによると、DeepSeekをテーマにした非公式トークンの時価総額が17日に5000万ドルを突破。さらに、複数の類似トークンが確認されており、市場で急激な価格上昇を見せている。
しかし、DeepSeekは公式に暗号資産(仮想通貨)を発行していないと明言しており、これらの偽トークンについて詐欺コインである可能性が高いと警告している。
フィッシング詐欺の危険性にも警戒
現在流通するDeepSeekの非公式トークンの中には、DeepSeek公式サイトを模倣した分散型アプリケーション(dApps)を作成しており、公式との区別が難しいケースもある。
特に、これらの偽サイトには「ウォレット接続」ボタンが設置されており、接続することでユーザーのウォレットから仮想通貨が不正に流出する危険性も指摘されている。
市場の成長とともに巧妙化する詐欺コイン
これまでにも、 ドナルド・トランプ大統領をテーマにしたトランプコイン(TRUMP)が急騰した際、非公式の詐欺コインが急増した例がある。
これらの詐欺コインは、公式サイトや公式SNSを模倣する巧妙な手法で、投資家の警戒心が薄れたタイミングを狙いDEXなどで取引を開始することが多い。
仮想通貨市場の成長とともに、詐欺コインの手口もますます巧妙化している。投資家は、未確認のプロジェクトへの安易な投資を避けるなど、リスク管理を徹底する必要がある。特に、プロジェクトの詳細が不明瞭な草コインには注意が必要だ。