仮想通貨清算が8億ドル超、ビットコインなど急伸で売り方損失

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仮想通貨の急騰と清算を示すトレーディング画面

暗号資産(仮想通貨)全体の時価総額は31日、前日比-2.04%安を記録し、約3.39兆億ドルの水準にある

仮想通貨市場は今月に入り、一時価格急騰により8億ドル(約1152億円)の清算が発生した。

この清算額は2023年以降で最大規模となり、主にショートポジション(売り建て)を持つトレーダーが損失を被った。

ビットコイン(BTC)は10万ドル(約1440万円)を突破し、先物取引では3億7500万ドル(約540億円)の清算が発生した。

主要仮想通貨が軒並み上昇

イーサリアム(ETH)は、現在約2536ドル(約36万5284円)で取引されている。

今月初めから、イーサリアムが急騰し3月初旬以来初めて2000ドル台を回復。この上昇によりイーサリアム関連の清算だけで3.1億ドル(約446億円)に達した。

ドージコイン(DOGE)は現在約0.19ドル(約27.36円)で取引されている。5月始めは10%以上値上がりし、同程度の0.196ドルで取引されていた。

その他の主要アルトコインでは、カルダノ(ADA)が現在約0.68ドル(約97.92円)で取引されている。月が改まり5月になってからは、10%上昇して0.768ドルに価格は上昇した。

ソラナ(SOL)は現在約157ドル(約2万2600円)、バイナンスコイン(BNB)は現在約669ドル(約9万4600円)、リップル(XRP)は現在約2.19(約315円)ドルで取引されている。

いずれも5月が始まってから、7%を超える上昇を記録している。

また今月始めは、バイナンスとOKXの2つの仮想通貨取引所だけで、合計5億ドル(約720億円)を超える清算が発生した。

これらの清算は主に、価格上昇に賭けていなかった売り建てポジションに集中していた。

上昇要因と市場への影響

5月初めの価格急騰は、米英貿易協定への期待感がリスク選好を高めたことが主因とされていた。

また、イーサリアムの次期アップグレード「Pectra」への期待も、機関投資家の関心を再び呼び起こしたと分析されている。

レバレッジを効かせたショートポジションが集中していたため、価格上昇とともに強制決済が連鎖的に発生した。

この現象は「ショートスクイーズ」と呼ばれ、価格変動をさらに増幅させる要因となったとされていた。

一方で、別の大型ビットコインロングポジション(約7307BTC)が清算危機に直面していることも明らかになった。

このポジションの清算価格は10万8890ドルで、当時の価格からわずかな差しかない状況だった。

著者: 早下 光

暗号資産ライター。2019年からの仮想通貨市場経験を基に、ブロックチェーン技術の基礎から応用、最新ニュースまで、正確・深い情報で読者の理解をサポートします。