仮想通貨市場の4年周期は終わった?ポリゴン共同創業者の見解

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崩れ始めた仮想通貨の4年周期を表現する時計とポリゴン、ビットコインのロゴ

ブロックチェーンプラットフォームのポリゴン(POL)共同創業者は27日、ビットコイン(BTC)の4年周期が終わりを迎えつつあるとの見解を述べた。

同氏は「ビットコイン(BTC)の4年周期は死んだ。『通常』とされてきたパターンから大きく逸脱し始めている。新たなパラダイムだ」と述べた。

仮想通貨市場の4年周期とは

暗号資産(仮想通貨)市場では長らく、約4年ごとに価格上昇と下落を繰り返す「4年周期」が存在すると考えられてきた。この周期の中心にあるのは、ビットコインの「半減期」と呼ばれる仕組みだ。半減期とは、ブロックチェーン上で新たなビットコインを生み出す「仮想通貨マイニング」の報酬が約4年ごとに半分になる現象を指す。

半減期によってビットコインの新規供給量が減少すると、需給バランスが変化し、理論上は価格上昇につながるとされてきた。実際、過去のビットコイン半減期後には大きな上昇相場が訪れることが多く、これが仮想通貨市場全体のトレンドを形作ってきた。

しかし、ドイッチャー氏によれば、こうした従来の周期性が崩れ始めており、今後は異なる市場動向が形成される可能性があるという。

市場周期の変化をもたらす要因

仮想通貨市場の周期性に変化をもたらしている要因は複数ある。まず挙げられるのは、市場の多様化だ。ビットコイン以外にもイーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)など、独自の特性や用途を持つ暗号資産が数多く誕生し、市場全体の動きに影響を与えるようになっている。

また、分散型金融(DeFi)や非代替性トークン(NFT)など、新たな仮想通貨の活用方法が広がり、単純な価格変動だけでなく実用的な価値も重視されるようになってきた。これにより、半減期だけが市場を動かす決定的な要因ではなくなりつつある。

規制環境の変化も大きな影響を与えている。世界各国で仮想通貨に関する法規制が整備され、機関投資家の参入も増加している。こうした従来とは異なるプレーヤーの存在が、市場の動きを複雑化させている。

新たな市場動向と今後の展望

ドイッチャー氏の指摘は、仮想通貨市場が成熟段階に入りつつあることを示唆している。単純な周期に頼った投資戦略から、より複合的な要因分析に基づく戦略への転換が求められるようになるだろう。

市場の変化に伴い、投資家たちは従来の4年周期だけでなく、マクロ経済動向や各プロジェクトのファンダメンタルズ、技術革新などを総合的に評価する必要性が高まっている。また、規制の明確化によって制度的な安定性が増し、長期的な市場成長が期待できるという見方もある。

ビットコインの半減期は引き続き重要な指標であることに変わりはないが、それだけが市場を左右する唯一の要因ではなくなっている。この変化は、仮想通貨市場がより成熟し、従来の金融市場に近い性質を持ちつつあることの表れとも言える。

著名アナリストによる市場周期の変化の指摘は、仮想通貨エコシステム全体の発展段階を示す重要なシグナルとなっている。投資家やプロジェクト関係者は、こうした市場構造の変化に適応していくことが求められるだろう。

渡貫 宗

2021年に仮想通貨投資を始める。以降、同分野での専門的な知識を深めながら自身のブログ・ライターとしても活動。仮想通貨に関する深い理解を活かして複数のメディアで多くの記事を執筆。初心者に寄り添った簡潔な解説を得意とする。