米大手暗号資産(仮想通貨)取引所のコインベースは10日、米大企業におけるステーブルコインへの関心が大幅に高まっているとの調査結果を発表した。
同社の報告書『仮想通貨の現状、未来の通貨はここにある』によると、フォーチュン500に選出された企業の幹部100人のうち、29%がステーブルコインの利用を計画、または関心を持っていると回答した。
この数値は、2024年の調査における8%から3倍以上に増加したことを示す。
また、調査対象となったフォーチュン500企業の7%は、すでに自社でステーブルコインを実際に利用、または保有していると回答した。
企業のデジタル資産導入が着実に進んでいる実態が浮き彫りになった。
In @Coinbase’s new report, The State of Crypto: The Future of Money Is Here:
• $27T+ in stablecoin volume last year
• 161M+ people holding stablecoins
• 54% YoY supply growth pic.twitter.com/7fFOsvrs2n— Eco (@eco) June 11, 2025
中小企業にも広がる関心
中小企業においてもこの傾向は同様である。
金融関連の意思決定者251人を対象とした調査では、81%がステーブルコインに関心を示した。これは2024年の61%から大幅な上昇となる。
さらに、調査対象の中小企業の46%が、今後3年以内に仮想通貨を利用する見込みだと回答している。
企業規模を問わず、デジタル資産の統合に向けた動きが加速していることがうかがえる。
従来の金融システムが抱える課題が背景に
企業がステーブルコインに注目する主な理由として、従来の決済システムが抱える課題が挙げられる。
取引速度の遅さや手数料の高さは、多くの企業にとって運営上の負担となっている。
ステーブルコインは、こうした金融面での悩みの種を解決する手段として認識されている。特に、国境を越える送金や自動支払いの分野で、業務効率の改善やコスト削減に貢献すると期待される。
ステーブルコインに限らず、より広範なデジタル資産への関心も高まっている。例えば、代表的な仮想通貨であるビットコイン(BTC)は、価値の保存手段として注目されている。
これらの資産を管理するためには、安全なWeb3ウォレットの選定が不可欠となるためだ。
今回の調査結果は、企業が金融業務を効率化するため、ブロックチェーン技術を基盤とした解決策へと戦略的な転換を進めていることを示している。