ステーブルコイン発行大手のCircle(サークル)は12日、リップル社との提携により米ドルに1対1で連動する同社のUSDコイン(USDC)を、XRPレジャー上でローンチした。
B2B決済とDeFi強化へ、ブリッジ不要の統合実現
USDCは完全に準備金に裏付けられた規制準拠の暗号資産(仮想通貨)で、時価総額は約614億ドル(約8兆8416億円)を超える。
この統合により、ユーザーはサードパーティ製のブリッジに依存することなく、サークル MintとそのAPIを通じて直接USDCを発行、送金できるようになった。
ローンチ時には、XRPレジャー上で約200万ドル相当のUSDCが発行された。
これにより、B2B決済やDeFiにおける流動性供給がより円滑になることが期待される。
両社は、今回の提携が伝統的な金融と仮想通貨エコシステムの橋渡しになると強調している。
XRPレジャーの高速かつ低コストな決済機能を活用することで、企業向け決済やDeFi分野での実用的なユースケースを促進する狙いだ。
USDC is now live on the XRP Ledger (@RippleXDev)!
With the launch of native @USDC on the XRPL, developers, institutions, and users gain the support of the world’s largest regulated stablecoin.
✅ Enterprise B2B payments: Use USDC for global money movement and improve capital… pic.twitter.com/WjXr7ui2Kp
— Circle (@circle) June 12, 2025
規制準拠と将来の拡張性がエコシステムを後押し
USDCが規制されたステーブルコインである点は、コンプライアンスツールを備え、機関投資家にも適したXRPレジャーの特性と合致している。
この連携は、安全で信頼性の高い取引環境を求める企業にとって魅力的だ。
さらに、XRPレジャーは2025年第2四半期にイーサリアム(ETH)仮想マシン(EVM)と互換性のあるサイドチェーンの導入を計画している。
この拡張によりスマートコントラクト機能が強化され、USDCの有用性は一層高まる見込みだ。
開発者はUSDCのネイティブ統合を活用し、国際送金や流動性供給などの分散型アプリケーションを構築できる。
サークルのクロスチェーン転送プロトコルは、最近World Chain(ワールドチェーン)を含むブロックチェーンへの対応を拡大しており、XRPレジャーは22番目の対応チェーンとなる。
リップル社は、USDCの統合が投機的な活動ではなく、実用性に焦点を当てたユースケースを推進する上で重要な役割を果たすと述べている。
この統合は、USDCの利便性を高めるだけでなく、基盤となるリップル(XRP)の価値向上にも繋がる可能性がある。