カルダノ、デジタルIDサービス「Veridian」公開|量子耐性あり

私たちを信頼する理由
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カルダノの分散型デジタルIDプラットフォーム「ベリディアン」の概念図

カルダノ財団は3日、量子コンピューティングに対応した安全性と国際的な相互運用性を備えた新しいデジタルIDプラットフォーム「ベリディアン(Veridian)」を発表した。

ベリディアンは、個人や組織がデジタルIDを完全に管理できるようにすることを目的とした分散型のIDソリューションだ。

また、WorldやHumanity Protocolなど他ブロックチェーン基盤のデジタルIDプロジェクトと競合することとなる。

ネイティブウォレットも公開

ベリディアン最大の特徴は、量子コンピューティング時代を見据えた「量子耐性」セキュリティだ。

従来の暗号化技術は、将来的に量子コンピュータによって解読される可能性がある。一方ベリディアンは、ポスト量子時代のセキュリティ対策を実装している。

具体的には、キーイベントレシートインフラストラクチャ(KERI)、分散型識別子(DIDs)、および真正連鎖データコンテナ(ACDC)認証情報など、先進技術を活用してオンライン通信を安全に認証する。

同時に、「ベリディアンウォレット」も発表された。

同ウォレットは、ユーザーが認証情報、秘密鍵、および識別子を安全に管理できるツールだ。特に、量子コンピューティングからの脅威に対する耐性を持つセキュリティ機能を備えており、ユーザーにデジタルIDの完全な主権を提供する。

オープンスタンダードを採用したこのプラットフォームは、異なるシステム間での相互運用性を重視しており、国際的な規模でのIDソリューションの統合を可能にする。

また、オープンソースアーキテクチャにより、開発者は独自のIDソリューションを構築・カスタマイズできる自由度を持つ。

デジタルID管理に変化

近年、世界中で何十億もの個人記録が漏洩し、中央集権的なデータ管理のリスクが浮き彫りになっている。ベリディアンの発表は、このような集中型データ侵害やIDの不正利用に対する懸念の高まりを受けたものだ。

IoTやAI技術の台頭によりセキュリティリスクが増大する現代社会において、安全なID認証システムの必要性はさらに高まっている。ベリディアンはこうした課題に対応するため、個人がデータの所有権と管理権を取り戻すための基盤を提供する。

特に注目すべきは、このシステムがカルダノブロックチェーンのオプショナルな信頼レイヤーとして機能する点だ。

これにより、既存のカルダノエコシステムのセキュリティ機能が強化され、暗号資産(仮想通貨)のブロックチェーン技術とデジタルID管理の融合が進む。

企業と個人にもたらす可能性

ベリディアンは企業向けの利用シーンとして、医療、金融、サプライチェーン管理など様々な産業での応用が期待されている。例えば医療分野では、患者の医療記録を安全に管理・共有するためのインフラストラクチャとして機能し得る。

金融セクターでは、KYC(顧客確認)プロセスの効率化や、詐欺防止のためのより堅牢な認証システムの構築に貢献する可能性がある。また、サプライチェーン管理においては、製品の追跡と認証の透明性を高めることで、偽造品対策にも役立つだろう。

個人ユーザーにとっては、オンラインサービスへのログインやデジタル署名など、日常的なデジタルインタラクションをより安全かつ簡便に行える環境が整うことになる。パスワード管理の煩雑さから解放され、なおかつプライバシーを確保したまま必要な情報だけを選択的に開示できる仕組みは、デジタル社会における個人の自律性を高めるだろう。

デジタルIDの重要性が増す現代社会において、ベリディアンのようなセキュアで分散型のソリューションは、個人情報保護とデジタル取引の信頼性向上に貢献すると期待されている。

早藤 佑太

2020年より暗号資産(仮想通貨)投資を開始。2021年よりSNSやブログでもコンテンツ発信を開始。2025年よりICOBenchのライターとして参加。