Bybitハッカー、イーサリアムを資金洗浄|被害総額335億円に

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フードを被ったハッカーがイーサリアムを資金戦場

暗号資産(仮想通貨)取引所Bybit(バイビット)が大規模なハッキング被害を受け、総額335億円相当のイーサリアム(ETH)が流出したことが明らかになった。

流出した資産の多くは、すでにマネーロンダリング(資金洗浄)を経て追跡が困難な状態にあると報告されている。

本記事では、ハッキングの詳細、セキュリティ上の課題、そして仮想通貨市場全体への影響について詳しく解説する。

Bybitハッキング事件の概要

世界的に人気のある仮想通貨取引所バイビットが大規模なハッキング被害を受け、総額36万3900 ETH(約900億円相当)が流出したことが明らかになった。

最新の報道によると、すでに13万5000 ETH(約335億円相当)が資金洗浄されており、残る資産も短期間で洗浄される可能性が指摘されている。

ブロックチェーン分析企業EmberCNのレポートによれば、ハッカーは過去24時間以内に4万5900 ETH(約113億円相当)を洗浄しており、これは盗まれた総額の約3分の1に相当する。

さらに、残りの資金も8〜10日以内に完全に洗浄される可能性が高いと分析されている。

資金洗浄の手口と技術的背景

Bybit Hacker in a Room Laundering ETH

ハッカーは、盗まれた資産の追跡を困難にするために、複数の資金洗浄手法を駆使している。特に注目されるのは、Tornado Cashなどの分散型ミキシングサービスの利用だ。これにより、取引履歴が分断され、盗まれたETHの送金元と最終的な受取先の関連性が遮断される。

さらに、ハッカーは特定の仮想通貨取引所を利用し、少額ずつ換金する方法も用いられている。これらの手口は、一度に大規模な送金を行わずに資産を分散することで、不審な取引として検知されるリスクを低減させる狙いがある。

また、一部でアルトコイン が使用されていることが確認されている。今後の対策が求められている。

仮想通貨市場への影響と今後の展望

今回のハッキング事件は、仮想通貨市場全体に深刻な影響を与えている。特に、ETHの大規模流出により、投資家のリスク回避姿勢が強まり、市場のボラティリティが高まっている。専門家は、今後の市場動向について慎重に分析する必要があると警告している。

この事件を契機に、仮想通貨エコシステム全体でセキュリティ対策の強化が進む可能性が高い。特に、スマートコントラクトの脆弱性を狙った攻撃の増加が懸念されており、開発者や取引所はより厳格な監査プロセスや高度なセキュリティ対策の導入を迫られている。

さらに、規制当局の動きにも注目が集まっている。特に資金洗浄対策の強化や、取引所のセキュリティ要件の見直しが検討されている。今後の規制強化が仮想通貨市場に与える影響については、引き続き注視する必要がある。

佐々 道幸

日本版ICOBench編集者。2016年から仮想通貨投資を開始し、NFTへの投資経験も持つ。20年よりライターとしてのキャリアをスタートし、24年08月、日本版ICOBenchに参画。専門分野はクリプト、ブロックチェーン、Web3。