米ブロックチェーンインフラ企業BTCSは9日、イーサリアム(ETH)の蓄積戦略を加速するため、資金調達目標を2億2500万ドルに引き上げたと明らかにした。
ナスダック上場の同社は、ソロステーキングやブロック構築プラットフォームであるBuilder+を活用し、ガス代収益の最適化と継続的なオンチェーン収益の創出を図っている。
これにより、資本効率を高めつつ、1株あたりのイーサリアム建てリターンを複利で増やすことを目指している。
BTCS Inc. is raising its funding target to $225 million to accelerate its Ethereum accumulation strategy.
This move strengthens our vertically integrated model, which includes solo staking through validator nodes, and block building.
By compounding $ETH-denominated returns… pic.twitter.com/KIZCDtzYeR
— BTCS Inc. (Nasdaq: BTCS) (@NasdaqBTCS) July 9, 2025
戦略強化の背景にある市場の変化
今回の目標引き上げは、暗号資産(仮想通貨)を取り巻く規制環境が安定化に向かっているとの同社の自信を反映している。
特に、イーサリアムの分DeFiインフラ周辺の規制見通しが明確化してきたことが大きい。
また、DeFiやスマートコントラクトにおけるイーサリアムの役割が評価され、機関投資家からの関心が高まっている。
この需要増を受け、BTCSはイーサリアム蓄積戦略をさらに強化する方針を固めた。
資本効率を重視した資金調達と今後の展望
2億2500万ドルの目標達成に向けて、同社は複数の資金調達手段を組み合わせる計画だ。
具体的には、アット・ザ・マーケット方式での株式売却、転換社債、そしてAaveなどのDeFiプラットフォームを通じた借り入れを活用する。
一方で、純資産価値に対するレバレッジを40%以内に抑えることで、財務の健全性を維持し、株式の希薄化を最小限に抑える。
この戦略は、ステーキング報酬、取引手数料、そして将来的な市場価格の上昇を通じてETHの保有量を最大化し、同社を主要なイーサリアム保有企業として位置付けることを目的としている。
BTCSは、来週中に最近のイーサリアム購入に関する詳細な最新情報を公開し、戦略実行の進捗について透明性を確保する予定だ。
同社は、人工知能搭載の分析プラットフォームであるChainQを活用し、ブロックチェーンエコシステム内での業務効率とユーザーエンゲージメントの向上も図っている。
こうした戦略への市場の信頼は株価にも表れており、週次で143%、年初来では327%の上昇を記録している。
しかし、イーサリアム自体の価格変動リスクや、DeFiと伝統的金融を連携させる戦略の実行には課題も残る。