欧州初のビットコイン(BTC)財務企業とされるザ・ブロックチェーン・グループ(TBG)は4月30日、2033年までに26万ビットコインを取得するという大規模な計画を発表した。
データインテリジェンス、AI、分散型技術開発を事業とするTBGは、パリのユーロネクスト・グロース市場の上場企業だ。
同社は2024年11月5日、保有する余剰現金や、転換社債(CB)などを活用して、ビットコイン(BTC)を計画的に取得・蓄積していくという、先進的な財務戦略を開始した。
この戦略に基づき、TBGは着実にBTC保有量を増やしている。
2025年4月時点での保有量は620BTCに達しており、これには2025年3月に取得した580BTCや、2024年後半からの小規模な購入が含まれる。
長期的なビットコイン蓄積戦略
今回の発表は、TBGがBTCを単なる短期的な投資対象ではなく、長期的な価値保存手段、すなわち「財務資産」として位置づけていることを示す。
目標とする26万BTCは、現在の価格で約240億ドル(約3兆4320億円)に相当する莫大な量だ。
この計画を実現するため、同社は積極的な資金調達も行っている。
2025年4月には、BTC取得を加速させる目的で新株予約権(BSA 2025-01)を発行した。このような動きは、計画達成に向けた同社の強い意志を反映している。
市場への影響と欧州での先例
TBGのような上場企業による大規模なBTC購入計画は、市場に複数の影響を与える可能性がある。
まず、大量のBTCが市場から吸収されることで、取引所における流動性が低下し、価格上昇圧力となることが考えられる。
さらに、機関投資家によるBTC採用は、この暗号資産(仮想通貨)の投資に対する長期的な信頼感を示すシグナルとなる。
特に欧州においては、米ソフトウェア企業のストラテジー社などに続く動きとして、他の企業が追随するきっかけとなるかもしれない。
TBGは上場企業として、財務状況に関する透明性の高い情報開示を行っており、2025年4月30日には2024年度の決算も報告している。
こうした透明性は、規制が進化する仮想通貨市場において、同社の信頼性を高める要因となるだろう。TBGの戦略は、欧州における企業の仮想通貨導入の試金石となりそうだ。
このような企業の動きは、仮想通貨 長期保有の戦略が、機関投資家の間で広がりつつあることを示唆している。