資産運用会社のBitwise Asset Managementは16日、4つの暗号資産(仮想通貨)上場投資商品(ETP)をロンドン証券取引所(LSE)に上場したことを発表した。
これは、機関投資家が規制された枠組み内で低コストに仮想通貨へアクセスする手段を拡大する動きである。
上場された4つの仮想通貨ETP
今回上場されたETPは、Bitwise Europe GmbHがドイツ法に基づき発行したものである。 具体的には、以下の4種類が含まれる。
1. Bitcoin Core ETP(BTC1)
Bitcoin Core ETPは、年率0.2%という低い管理手数料でビットコイン(BTC)への投資機会を提供する。 長期投資家向けに設計されており、このような商品は仮想通貨 長期保有を検討する投資家にとって有力な選択肢となる。
2. Physical Bitcoin ETP(BTCE)
Physical Bitcoin ETPは高い流動性で知られる。 特にドイツのXETRAプラットフォームでは、欧州における主力商品の一つとして位置付けられている。
3. Physical Ethereum ETP(ZETH)
Physical Ethereum ETPは、イーサリアム(ETH)への純粋なエクスポージャーを提供する。 機関投資家向けの堅牢なカストディ(資産管理)体制が特徴である。
4. Ethereum Staking ETP(ETH32)
Ethereum Staking ETPは、イーサリアムへのエクスポージャーに加え、ステーキング報酬のメリットを提供する。 報酬は日々蓄積される仕組みとなっている。
これらのETPはすべて米ドルおよび英ポンド建てで決済・取引され、流動性と規制要件の遵守を確保している。 機関投資家が欧州市場内で規制された仮想通貨エクスポージャーを求める需要に応えている。
上場の背景と市場の動向
同社によるLSEへのETP上場は、仮想通貨投資を伝統的な金融市場へ統合する継続的な流れを反映している。 この動きには、いくつかの要因が影響している。
まず重要なのは規制環境である。 ドイツ発行のETPを利用することで、厳格な欧州規制が順守され、安定した法的枠組みを求める機関投資家にとって魅力的となっている。
また、市場の需要も高まっている。 ポートフォリオの多様化を目指す機関投資家の間では、規制されつつ低コストの仮想通貨投資機会への関心が強く、個人投資家の間でも将来性のある銘柄の有力情報が求められている。
さらに、技術的な進展も背景にある。 Ethereum Staking ETPは、イーサリアムのプルーフ・オブ・ステーク(PoS:各ノードが取引の検証に参加する仕組み)への移行(マージ)後、ステーキング報酬を活用している。 この仕組みは、仮想通貨分野における新たな受動的収益の道を開くものといえる。
Bitwiseの戦略と市場への影響
今回上場されたETPの合計価値は約120億ドルに上り、仮想通貨市場への大きな関与を示している。 同社にとって今回のLSE進出は、欧州全域での各種仮想通貨ETPのローンチに続くもので、欧州市場への広範な戦略展開を示唆している。
さらに、同社はホールセール投資家を対象に、英国の投資規制に適合することで、プロの投資家が仮想通貨資産をより活用しやすい環境を整えることを目指す。
これにより、仮想通貨が伝統的なポートフォリオへシームレスに組み込まれることが促進される。