BitMine Immersion Technologies(BMNR)は7月14日、5億ドル超のイーサリアム(ETH)を保有していることを明らかにした。
同社は7月9日に実施した私募増資で2億5000万ドルを調達。この資金をもとに、3日間でETHを購入し、当初の調達額の2倍以上を上回る暗号資産(仮想通貨)を蓄積した。
この動きは、仮想通貨を長期的な資産として積み上げる同社の財務戦略を反映したものといえる。
ETH版マイクロストラテジー戦略
BMNRの戦略は、ビットコイン(BTC)を大量保有するマイクロストラテジーの手法に類似している。
同社は従来のマイニング事業から脱却し、ETHのステーキングやキャッシュフローの再投資、体系的な資金調達を通じて、1株あたりのETH保有量の拡大を図る方針だ。
ジョナサン・ベイツCEOは、調達直後に迅速に資本をETHへ展開した点を強調した。
また、市場調査会社Fundstratの共同創業者トーマス・リー氏が会長に就任したことも、この戦略への信頼感を高める要因となっている。
この動きを受け、投資家の関心はETH関連の金融インフラやステーキング利回りに集まり、BMNR株は13〜40%上昇した。
機関投資家による仮想通貨蓄積の潮流
BMNRはトリニダードとテキサスでBTCおよびETHのマイニング施設を運営している。
エネルギー効率の高い地域で事業を展開することで、資本支出を抑えつつ仮想通貨へのエクスポージャーを最大化する構造だ。
さらに、マイニング事業に加え、アドバイザリーや財務管理にも事業を拡大しており、仮想通貨インフラ分野でハイブリッド型プレイヤーとしての地位を築きつつある。
類似の動きとして、米国のブロックチェーン企業BTCSもETH保有量を大幅に増やしている。
2024年末からの増加率は221%に達し、7月11日時点での保有量は2万9122ETH。総資産は現金を含めて9630万ドルに達する。
これらの事例は、仮想通貨を財務資産として蓄積する機関投資家が増加していることを示している。