暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)のマイニングハッシュレートは5日、832,600TH/sの新たな史上最高値を記録した。
ハッシュレートの動向
ビットコインのネットワーク全体の計算能力を示すハッシュレートは、年初に817,700TH/sを記録した後、一時的な低下を経て再び上昇傾向に転じた。
この指標の上昇は、新規マイナーの参入や既存マイナーの設備増強を示唆している。
特筆すべきは、仮想通貨市場全体が不安定な状況下でこの上昇が起きている点だ。マイニングハッシュレートは、ネットワークのバリデーター(検証者)たちの市場心理を反映する重要な指標とされている。
市場分析と技術指標
マイナーの動向を追跡する「ハッシュリボン」指標では、30日移動平均と60日移動平均のクロスオーバーが注目されている。
Capriole Investmentsの創設者チャールズ・エドワーズ氏は、2月1日に一時的な「投げ売り(キャピチュレーション)」シグナルが発生したことを指摘した。
しかし、このクロスオーバーは短期間で逆転し、ハッシュレートの急上昇につながった。過去の事例では、このようなパターンはビットコインの買いシグナルとして機能してきた経緯がある。
マイニングの仕組みと意義
マイニングは、ビットコインネットワークの安全性を確保する重要な要素だ。
マイナーは特殊なハードウェアを使用して数学的パズルを解き、その報酬としてビットコインを受け取る。
この過程で、取引の検証と新規ブロックの生成が行われる。
マイニングの難易度は、ネットワーク内のマイナー数に応じて自動的に調整される。これにより、ビットコインの約10分間隔でのブロック生成時間が維持されている。
今後の展望
現在のビットコイン価格は約1,480万円前後で推移しており、24時間の取引高は約7,150億円を記録している。
取引量の指標であるVol/Mkt Cap(24h)は2.44%となっており、市場は比較的安定した状態を示している。
ハッシュレートの上昇傾向は継続しており、これはマイナーたちが長期的な市場の成長性を評価している証左となっている。