Nasdaq上場の暗号資産(仮想通貨)企業Bit Digitalが7日、ビットコイン(BTC)からイーサリアム(ETH)への事業転換を完了した。
同社はイーサリアム特化型の財務戦略へ移行し、世界有数のイーサリアム保有企業となった。
イーサリアムへの戦略的転換
Bit Digitalはこれまでビットコインのマイニングと投資を主軸としていたが、今後はイーサリアムの財務およびステーキングプラットフォームに特化する方針だ。
この大胆な転換は、金融システムを変革するイーサリアムの潜在能力に対する強い確信を反映している。
同社のサム・タバールCEOは、イーサリアムのプログラム可能な契約機能、エコシステムの成長性、ステーキングによって得られる利回りが、今回の決定の主な要因であると説明した。
同社は2025年3月末時点で417.6BTCと2万4434ETHを保有していたが、株式公開で調達した1億7200万ドルと約280BTCの売却資金を活用し、イーサリアムを10万603ETHまで買い増した。
市場の反応と資金戦略
今回の発表を受け、7日の取引でBit Digitalの株価は22.79%上昇し、市場の期待の高さを示した。
タバールCEOは今後もイーサリアム保有量を拡大し、「卓越したETH保有企業を目指す」と述べている。
この取り組みを支えるため、子会社WhiteFiberはカナダ・ロイヤル銀行から6000万ドルの信用枠を確保し、イーサリアム関連のデータセンターインフラを強化する計画だ。
今回の再編は、Bit Digitalがビットコインではなくイーサリアムの技術的・金融的エコシステムに未来を見出したことを示しており、Nasdaq上場企業としての大きな転換点となった。