ナスダック上場のデジタル資産企業Bit Digital(ビット・デジタル)は18日、暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の保有量を拡大したと明かした。
同社の財務戦略の一環として、機関投資家向けの登録済み直接募集で得た純収益6730万ドルを活用し、1万9683ETHを追加取得した。
イーサリアム中心への戦略的転換
ビット・デジタルは、ビットコイン(BTC)マイニングからETHを中核とする財務モデルへの移行を進めている。
2025年7月初旬には、株式公開によって1億7200万ドルを調達し、保有していた約280BTCをすべて売却。その資金をETHの購入に充て、保有量は約10万603ETHに拡大していた。
今回の追加取得により、同社のETH総保有量は約12万306ETHに達し、公開市場で最大級のETH保有企業の一つとなった。
イーサリアムに注力する背景
ビット・デジタルがETHに重点を置く背景には、複数の要因がある。プルーフ・オブ・ステーク(PoS)モデルによって、同社はバリデーターノードを運営し、ステーキング報酬を獲得できる点がその一つだ。
サム・タバールCEOは、ETHのプログラム可能性とDeFi領域での有用性を評価し、次世代のデジタル金融インフラの基盤と位置づけている。
また、ステーブルコインやトークン化資産の担保として、機関投資家によるETHの採用が進んでいる点も重視されている。
現在、同社は約12万ETHを保有しており、ETHを中核とする上場企業として市場での存在感を強めている。これにより、バランスシートの強化と株主価値の向上を目指す。
タバール氏は今後も積極的にETHを追加していく方針を示しており、同社は単なる保有にとどまらず、イーサリアムネットワークのセキュリティにもバリデーターとして貢献している。