暗号資産(仮想通貨)取引所のバイナンス(Binance)は1日、フランス当局からマネーロンダリング防止法およびテロ資金供与防止法違反の疑いで捜査を受けていることが明らかになった。
麻薬密売や脱税に関連する疑惑
ロイター通信によると、フランスの検察当局はバイナンスが麻薬密売や脱税に関連した常習的なマネーロンダリングを支援した可能性を指摘している。
バイナンス側は、これらの申し立てを完全に否定し、いかなる告発に対しても断固として戦うとの姿勢を示した。
同社は米国金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)や司法省(DOJ)、外国資産管理室(OFAC)などから、マネーロンダリング防止(AML)とコンプライアンス面での進展を評価されていると強調している。
無許可プロモーションも調査対象に
今回の捜査は、バイナンスが規制当局の承認を得ずにフランスの消費者向けに仮想通貨サービスを提供していた可能性についての調査を拡大したもの。
検察は同社が規制当局への登録前にプロモーションキャンペーンを実施し、フランスの法律に違反した疑いも指摘している。
規制当局からの監視強化
バイナンスは2023年、マネーロンダリング対策の不備や国際制裁違反により、米国当局から43億ドル(約6,450億円)の過去最高額の罰金を科された。
同年には共同創業者のチャンポン・ジャオ前CEOが退任。新経営体制の下で、コンプライアンスと規制遵守の強化を進めている。
今回のフランス当局による捜査は、バイナンスに対する世界的な規制圧力が一段と強まっていることを示している。