富裕地域である米ニュージャージー州バーゲン郡は28日、37万件の不動産登記記録をアバランチ(AVAX)ブロックチェーンに移行すると発表した。
この取り組みは、2,400億ドル(約35兆円)相当の不動産価値を持つ記録を対象とし、米国で最大規模のブロックチェーンベース不動産登記トークン化プロジェクトとなる。
同郡は70の自治体を抱え、約100万人の住民にサービスを提供している。
従来システムの課題と解決策
従来の不動産記録管理システムは、詐欺、ランサムウェア攻撃、管理ミスなどの深刻な脆弱性を抱えている。
紙ベースの古いシステムや断片化されたデータベースは、効率性の低下、遅延、改ざんリスクを招いてきた。
特に、人工知能(AI)技術を活用した偽造ツールの高度化により、これらのリスクはさらに深刻化している。
ブロックチェーン技術の導入により、不変性と検索可能性を持つ分散型台帳が構築され、これらの問題の解決が期待される。
AvaCloudプラットフォームを活用
バーゲン郡は、ブロックチェーンインフラ企業バルコニー(Balcony)と5年間の契約を締結した。
バルコニーのAvaCloudプラットフォームは、アバランチレイヤー1ブロックチェーン上で動作し、高速処理、低取引コスト、堅牢なセキュリティを実現する。
バルコニーのダン・シルバーマンCEOは、サイバー脅威やAI生成による偽造の増加を背景に、システムの近代化の必要性を強調した。
この取り組みは今後、暗号資産(仮想通貨)技術を活用したニュージャージー州全体のブロックチェーン統合推進の一環として、カムデン郡やオレンジ郡など他の郡にも拡大される予定だ。