バーレーン中央銀行(CBB)は2日、国内初となる包括的なステーブルコイン規制の枠組みを明らかにした。
Stablecoin Issuance and Offering Moduleと名付けられた新規則は、ステーブルコインの健全な発展を促すことを目的としている。
新規則の概要と目的
今回の規制は、2024年10月に開始された協議プロセスを経て最終決定された。
規制の対象となるのは、バーレーン・ディナール(BHD)や米ドルなど、CBBが承認した法定通貨に1対1の比率で価値が裏付けられたステーブルコインである。
フレームワークでは、ステーブルコインの発行や償却、準備資産の管理、カストディサービスを提供する事業者に対して、CBBからのライセンス取得を義務付けている。
また、発行者には最低25万BHDの初期資本が求められるなど、厳格なガバナンス体制とリスク管理が要求される。
この動きは、デジタル資産分野における規制の明確化を求める市場の声に応えるものだ。CBBは、イノベーションを阻害することなく、利用者保護と金融システムの安定を確保するバランスの取れたアプローチを目指している。
このような規制整備は、今後暗号資産(仮想通貨)市場全体の信頼性向上にも繋がるだろう。
イノベーションと投資家保護の両立
新規則の注目すべき点として、利回りを提供するステーブルコインが認められたことが挙げられる。
準備資産の投資から得られる利息や、イスラム金融の原則に準拠したシャリア準拠の報酬を通じて、保有者に受動的な収益を提供することが可能となる。
この柔軟な姿勢は、バーレーンが中東・北アフリカ地域におけるフィンテックとデジタル資産のハブとしての地位を強化する戦略の一環である。
業界関係者からのフィードバックを積極的に取り入れたことで、実用性の高い規制が実現した。
CBBは以前、大手仮想通貨取引所バイナンスの子会社であるBPay Globalに決済サービスプロバイダーとしてのライセンスを付与しており、仮想通貨サービスに対して前向きな姿勢を示してきた。
バーレーンのような規制環境が整備された国は、多くの海外仮想通貨取引所にとって魅力的な市場となる可能性がある。
今回の包括的なステーブルコイン規制は、既存の資金洗浄対策やテロ資金供与対策の枠組みと連携し、安全で革新的なデジタル金融エコシステムの構築を後押しするものである。