a16z Cryptoは22日、AIに特化した分散型データ基盤を開発するPoseidon(ポセイドン)のシードラウンドで、1500万ドルの資金調達を主導したと明らかにした。
ポセイドンは、AIシステムにおける高品質で法的に許諾された学習データの深刻な不足に対応するため、Story Protocolチームによってインキュベートされた。
AI学習データの枯渇と法的課題への対応
AIの基盤モデルが利用可能な公開データをほぼ使い果たしつつある現状では、多様なライセンス許諾済みコンテンツという新たな供給源が不可欠となっている。
加えて、学習データを巡る著作権紛争などの影響で、法的に監査可能なデータ供給網への需要が高まっている。この状況は、AI仮想通貨プロジェクトにとって追い風となる。
ポセイドンは、Story Protocolが持つプログラム可能なIPインフラを活用し、次世代の物理的AIアプリケーション向けに、多様で法的に準拠したデータセットの提供を目指す。
分散型モデルとa16zの戦略
ポセイドンはStory Protocolの不変的なIP台帳を用いて、AI開発者に対し、追跡可能で法的にクリアされたデータセットを提供する。
同時に、データ提供者であるクリエイターは所有権と収益に関する権利を保持し続ける。
この分散型モデルは、プログラム可能なIPを通じてデータ貢献者に報酬を与えることで、データ調達のための持続可能な市場力学を構築する。
今回の動きは、a16zが2024年8月にStory Protocolの開発元であるPIP Labsに対して行った8000万ドルのシリーズB投資に続くものとなる。
こうした一連の仮想通貨投資は、分散型AIインフラ市場での主導権を握るための一貫した戦略を浮き彫りにしている。
a16z Cryptoの創設者であるクリス・ディクソン氏は、ポセイドンについて「インターネットの新たな経済基盤を確立し、AIの次なる段階に不可欠なインフラになる」と述べた。