暗号資産(仮想通貨)市場において、イーサリアム(ETH)とビットコイン(BTC)は2025年も時価総額トップ2を誇る代表的な存在です。しかし投資家の方の中には「イーサリアムとビットコインの違いは何か?」「ビットコインかイーサリアム、買うならどっちがおすすめ?」「両者の技術的な特徴や用途の違いを知りたい」と疑問に思っている方も多いと思います。
本記事では、イーサリアムとビットコインの基本的な違いを5つの観点から徹底解説します。投資対象として「買うならどちらがおすすめなのか」という判断基準や、安全な購入方法、投資する際の注意点についても詳しく解説します。仮想通貨投資を検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください。
ビットコインとイーサリアムの違い5選
ビットコインとイーサリアムは共におすすめ仮想通貨を代表する存在ですが、その目的や技術的背景には明確な違いがあります。以下では、両者の主要な5つの相違点について詳しく解説します。
- 目的の違い
- 発行上限の違い
- 速さの違い
- 合意方法の違い
- 用途の違い
比較項目 | ビットコイン | イーサリアム |
目的 | デジタル通貨・価値の保存 | アプリや契約の土台 |
発行上限 | 2,100万枚で固定 | 上限なし(バーンで調整) |
動きの速さ | 約10分ごとに記録 | 約12〜15秒ごとに記録 |
合意方法 | PoW | PoS |
主な用途 | 送金・資産の保存 | スマート契約・DeFi・NFTなど |
目的の違い
比較項目 | ビットコイン | イーサリアム |
開発目的 | デジタル通貨・価値の保存手段 | 分散型アプリケーションのプラットフォーム |
創設者 | サトシ・ナカモト(正体不明) | ヴィタリック・ブリテン |
生まれた年 | 2009年 | 2015年 |
主なビジョン | 中央銀行に依存しない決済システム | スマートコントラクトによる分散型アプリケーション実行環境 |
ビットコインは2008年に発表されたサトシ・ナカモト氏による論文「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」を基に、2009年に誕生しました。ビットコインの主な目的は、銀行などの中央集権的な機関を介さずに、個人間で直接価値の移転が可能なデジタル通貨を作ることでした。
一方、イーサリアムは2013年にヴィタリック・ブテリン氏によって考案され、2015年に正式にリリースされました。イーサリアムの目的は単なるデジタル通貨を超え、スマートコントラクト(自動実行される契約プログラム)を実行できるプラットフォームを提供することです。
これにより、分散型金融(DeFi)や非代替性トークン(NFT)など、様々なアプリケーションの基盤となっています。
発行上限の違い
比較項目 | ビットコイン | イーサリアム |
発行上限 | 2,100万BTC(固定) | 上限なし(バーン機能で調整) |
現在の流通量 | 約1,950万BTC(2025年5月時点) | 約2,000万ETH(2025年5月時点) |
インフレ/デフレ特性 | デフレ型(半減期あり) | インフレからデフレへ移行中 |
ビットコインはその設計上、発行上限が2,100万BTCと明確に定められています。これは、ビットコインが「デジタルゴールド」として希少性を持つことを意図しています。約4年ごとに起こる「ビットコイン半減期」により発行ペースが半分になることで、時間の経過とともに新規発行量が減少していきます。
対して、イーサリアムには発行上限が設定されていません。しかし、2021年8月のロンドンハードフォーク以降、取引手数料の一部がバーン(焼却)される仕組みが導入されました。これにより、取引量が多い時期には新規発行量よりもバーン量が上回り、結果的にデフレ効果をもたらすことがあります。
速さの違い
比較項目 | ビットコイン | イーサリアム |
ブロック生成時間 | 約10分 | 約12〜15秒 |
1秒あたりの処理能力 | 約7トランザクション/秒 | 約15〜30トランザクション/秒 |
取引確定までの目安 | 約60分(6確認) | 約5分(20確認) |
ビットコインのブロックチェーンでは、新しいブロックが約10分ごとに生成されます。取引が完全に確定するには一般的に6ブロック(約60分)待つ必要があります。
一方、イーサリアムのブロック生成は大幅に速く、約12〜15秒ごとに新しいブロックが生成されます。イーサリアムの取引は一般的にビットコインよりも早く確定しますが、ネットワークの混雑状況によっては手数料が高騰することもあります。
この速度の違いは、両者が重視する要素の違いを反映しています。ビットコインはセキュリティと分散性を重視し、イーサリアムは様々なアプリケーションを動かすためのスピードと柔軟性を重視しているのです。
合意方法の違い
比較項目 | ビットコイン | イーサリアム |
現在の合意形成方式 | PoW(プルーフ・オブ・ワーク) | PoS(プルーフ・オブ・ステーク) |
消費電力 | 大きい | 比較的小さい(PoWから99%削減) |
参加方法 | 仮想通貨マイニング(専用ハードウェア必要) | ステーキング(32ETH以上の保有) |
環境への影響 | 批判の対象となっている | 環境に配慮した設計へ移行済み |
ビットコインは発足以来、「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」と呼ばれる合意形成方式を採用しています。これは、複雑な数学的パズルを解くために大量の計算リソースを使用する仕組みで、セキュリティの高さが特徴である一方、大量の電力消費が環境問題として批判されています。
一方、イーサリアムは2022年9月に「マージ」と呼ばれる大規模なアップグレードを実施し、PoWから「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」へと移行しました。PoSではコインを保有(ステーク)している量に応じて新しいブロックを生成する権利が与えられるため、PoWと比較して電力消費が約99%削減されました。
この合意形成方式の違いは、両プロジェクトの開発哲学の違いを顕著に表しています。ビットコインは安全性と実績を重視し、イーサリアムは技術革新と持続可能性を追求しています。
用途の違い
比較項目 | ビットコイン | イーサリアム |
主な用途 | 送金・資産保存・投資 | スマート契約・DeFi・NFT・dApps |
プログラミング能力 | 制限的 | 高度(チューリング完全) |
エコシステム | 比較的シンプル | 多様なアプリケーションとサービス |
トークン発行 | 不可 | 可能(ERC-20、ERC-721など) |
ビットコインは主に「デジタルゴールド」あるいは「価値の保存手段」として利用されています。機能としてはシンプルで、送金や価値の保存が中心となります。
対してイーサリアムは、スマートコントラクト機能によりはるかに多様な用途を持っています。DeFiアプリケーション、NFTマーケットプレイス、分散型取引所(DEX)、ゲーム、ソーシャルメディアなど、様々なサービスがイーサリアムのブロックチェーン上で運営されています。
また、イーサリアムでは独自のトークン(ERC-20やERC-721など)を簡単に発行できるため、多くのプロジェクトがイーサリアム上でトークンを発行しています。2025年5月時点で、イーサリアム上には数千種類ものトークンが存在します。
ビットコインとイーサリアム、買うならどっち?
今後が期待されるビットコインとイーサリアムのどちらを選ぶべきかは、投資の目的や自身のリスク許容度によって異なります。ここでは、両者の選び方について、以下の観点から詳しく解説します。
- 価値保存かエコシステム成長か、投資目的で選ぶ
- PoWとPoSなど、技術的特性で選ぶ
- 市場動向で選ぶ
- 迷ったら両方への投資もあり
価値保存かエコシステム成長か、投資目的で選ぶ
投資目的によって、ビットコインとイーサリアムのどちらが適しているかが変わってきます。ビットコインは「デジタルゴールド」と形容されるように、価値の保存手段として高い評価を得ています。
発行上限が明確に定められていることから、インフレに強い資産として長期保有する投資家が多く存在します。また、機関投資家による現物ビットコインETFの導入により、伝統的な金融市場との統合も進んでいます。
一方、イーサリアムは技術基盤としての側面が強く、そのエコシステムの成長に期待した投資が中心となります。DeFiやNFTなど、イーサリアム上で構築されるアプリケーションが増加し利用が拡大するほど、イーサリアムの価値も向上する可能性があります。
イーサリアムはより多機能であるため、テクノロジーの発展に伴う上昇余地が大きいと考える投資家もいます。投資目的が「インフレヘッジや資産保全」であればビットコイン、「テクノロジーの発展とエコシステムの成長」に賭けたいならイーサリアムが向いているでしょう。
PoWとPoSなど、技術的特性で選ぶ
技術面での違いも投資判断の重要な要素となります。ビットコインのPoWは、10年以上の実績があり、これまで大規模なセキュリティ侵害を受けていません。このセキュリティの堅牢性を重視する投資家にとって、ビットコインは魅力的な選択肢となるでしょう。
一方、イーサリアムのPoSへの移行は、環境負荷の低減とスケーラビリティの向上を目指したものです。持続可能性や技術革新を重視する投資家にとっては、イーサリアムがより魅力的に映るかもしれません。
また、イーサリアムのスマートコントラクト機能は、多様なアプリケーション開発を可能にします。テクノロジーの応用範囲の広さを評価する投資家には、イーサリアムが適しているでしょう。
市場動向で選ぶ
市場動向や価格のボラティリティ(変動性)も、投資判断の材料となります。一般的に、ビットコインはイーサリアムと比較して価格変動が小さい傾向にあります。これは、ビットコインの市場規模が大きく、流動性が高いためです。安定性を重視する投資家には、ビットコインが適しているでしょう。
一方、イーサリアムは相対的に価格変動が大きく、短期間での大幅な値上がりを記録することもあります。高いリターンを求めるリスク許容度の高い投資家には、イーサリアムが魅力的かもしれません。
また、ビットコインとイーサリアムは異なる市場要因に影響されることがあります。ビットコインはマクロ経済の動向や機関投資家の動きに影響を受けやすく、イーサリアムの将来価格は技術開発の進捗や分散型アプリケーションの普及度に左右されることが多いです。市場の状況を分析し、今後の展望に合わせて選択することが重要です。
迷ったら両方への投資もあり
ビットコインとイーサリアムのどちらか一方に決めきれない場合は、両方に投資するという選択肢もあります。ポートフォリオ分散の観点から見ると、性質の異なる両者に投資することは理にかなっています。
ビットコインで価値の保存と安定性を確保しつつ、イーサリアムで技術革新と成長の可能性に投資することで、リスクを分散しながら両者の特性を活かすことができます。
投資比率については、自身のリスク許容度や投資目標に応じて調整するのがよいでしょう。例えば、安定志向の投資家ならビットコイン7:イーサリアム3、成長志向ならビットコイン4:イーサリアム6といった具合です。仮想通貨投資が初心者の場合は、少額から始め、徐々に理解を深めながら投資額を調整していくことをおすすめします。
イーサリアムとビットコインの買い方
イーサリアムとビットコインを購入し、簡単な仮想通貨の始め方はBest Walletを使用することです。ここでは、ダウンロードからビットコインの買い方を4つのステップで詳しく説明します。
- Best Walletをダウンロード
- 初期設定を行う
- 「Bitcoin」または「Ethereum」を探す
- 購入する
①:Best Walletをダウンロード
まず最初に、Best Wallet Appをダウンロードします。Best Walletは、60以上のブロックチェーンに対応予定の次世代型ビットコインウォレットです。急速に成長を続けており、月間アクティブユーザー数は25万人を突破しています。
- App Store(iPhone)またはGoogle Play Store(Android)を開きます
- 検索バーに「Best Wallet」と入力します
- 公式アプリを見つけたら「インストール」または「入手」をタップします
- ダウンロードが完了したら、アプリを開きます
なお、偽アプリによる詐欺被害が報告されているため、必ず公式アプリをダウンロードしてください。
②:初期設定を行う
アプリをダウンロードしたら、次は初期設定を行います。Best Walletは、Metamask(メタマスク)とは異なり、メールアドレス、またはGoogle、Apple経由で登録できます。
- アプリを開くと、言語選択画面が表示されるので「日本語」を選びます
- 「ウォレットを作成」をタップし、利用規約を確認して「同意する」をタップします
- 「パスコードを作成」画面で4桁のパスコードを設定します
- お好みに応じて「Face IDでログインを有効にする」を設定できます
- シークレットリカバリーフレーズの画面で「生成」ボタンをタップしてフレーズを生成します
なお、リカバリーフレーズは、デバイスを紛失した場合に資産を復元するために非常に重要です。紙に書き写すか、コールドウォレットなどの安全な場所に保管してください。
③:「Bitcoin」または「Ethereum」を探す
ウォレットの準備ができたら、購入したい通貨を探しましょう。Best Walletのインターフェースは直感的で、ミームコインの買い方でも重宝します。
- 画面下部のナビゲーションバーから「Trade」タブをタップします
- 「Buy」「Send」「Swap」「Receive」「History」の選択肢から「Buy」をタップします
- 検索バーに「BTC」「Bitcoin」「ETH」「Ethereum」と入力するか、画面をスクロールして該当通貨を見つけます
- 購入したい通貨(BitcoinまたはEthereum)をタップして詳細画面に進みます
④:購入する
通貨を選択した後は、実際に購入する手順に進みます。
- 購入画面で購入金額を日本円で入力します
- 「Pay using」から決済方法を選択します(Apple Pay、クレジットカード、デビットカード、Google Payなど)
- 最終確認画面で金額と獲得量を確認し、「Buy」ボタンをタップします
- 決済プラットフォーム(BanxaやTopperなど)に移動するので、指示に従って手続きを進めます
決済を完了すると、購入した仮想通貨が自動的にBest Walletに反映されます。Best Walletのレビュー記事も参考に、以下のリンクからダウンロードしてみてください。
イーサリアムとビットコインへの投資での注意点
ビットコインとイーサリアムへの投資には、いくつかの重要な注意点があります。これらのリスクを理解した上で、慎重に投資判断を行うことが重要です。
価格変動の大きさを知っておく
新しい仮想通貨市場の最大の特徴の一つは、その価格変動の大きさです。ビットコインとイーサリアムは、株式や債券といった伝統的な資産と比較して、はるかに大きな価格変動を示すことがあります。
例えば、2024年から2025年にかけて、ビットコインは約5万ドルから10万ドル近くまで上昇したあと、6万ドル台まで下落するという大きな変動を見せました。イーサリアムも同様に、数千ドル単位での価格変動が短期間で起こっています。
このような大きな価格変動は、高いリターンをもたらす可能性がある一方で、大きな損失につながるリスクもあります。仮想通貨はやめとけと言われる所以でしょう。投資する際は、自分が許容できるリスク範囲内で投資額を決定し、「投資は自己責任」という原則を念頭に置くことが重要です。
スケーラビリティ問題と手数料の高騰
ビットコインとイーサリアムはいずれも、ネットワークの混雑時に「スケーラビリティ問題」と呼ばれる課題に直面することがあります。これは、処理できるトランザクション数に限界があるため、利用者が増えると処理が遅延したり手数料が高騰したりする問題です。
2021年のブル相場では、イーサリアムのガス代(取引手数料)が数十ドルから数百ドルに高騰し、小額取引が事実上不可能になる事態も発生しました。ビットコインも同様に、取引が集中すると手数料が高騰することがあります。
こうした問題に対して、両プロジェクトともにスケーラビリティを向上させる取り組みを進めています。
- ビットコインではライトニングネットワークと呼ばれるレイヤー2ソリューションの開発
- イーサリアムではシャーディングやレイヤー2ソリューション(Optimism、Arbitrumなど)の開発
投資家はこれらの技術的課題と、それに対する開発進捗を理解しておくことが重要です。
詐欺やハッキングのリスク
仮想通貨市場では、詐欺やハッキングといったセキュリティリスクも無視できません。過去には大手取引所のハッキング被害、フィッシング詐欺によるウォレット乗っ取り、偽のICO仮想通貨による投資詐欺、類似のウォレットアプリやウェブサイトによる詐欺など、さまざまな事例が発生しています。
これらのリスクから身を守るためには、以下のような対策が有効です。
- 信頼できる取引所やウォレットのみを利用する
- 二段階認証を必ず設定する
- 大量の仮想通貨はコールドウォレットで保管する
- 見知らぬ送信元からのリンクをクリックしない
- ウォレットの秘密鍵やシードフレーズを安全に管理する
- 不審なプロジェクトへの投資は避ける
セキュリティに関する基本的な知識を身につけ、常に警戒心を持って行動することが重要です。
イーサリアムとビットコインの違い:まとめ
ビットコインとイーサリアムは、仮想通貨市場の中心的存在ですが、その特性と目的は大きく異なります。ビットコインは主に「デジタル通貨」や「価値の保存手段」として設計されているのに対し、イーサリアムは「分散型アプリケーションのプラットフォーム」としての役割を担っています。発行上限についても、ビットコインは2,100万BTCという明確な上限があるのに対し、イーサリアムには理論上の上限はありません。
処理速度では、ビットコインのブロック生成が約10分ごとであるのに対し、イーサリアムは約12〜15秒ごとと大幅に速いです。合意形成メカニズムでは、ビットコインはPoWを採用し、イーサリアムは2022年に環境配慮型のPoSへ移行しました。
用途面では、ビットコインが主に送金や価値保存に使われるのに対し、イーサリアムはスマートコントラクト機能により、DeFi、NFTなど多様な用途を持っています。
投資対象として考える場合は、これらの違いを理解し、投資目的やリスク許容度に合わせて選択することが重要です。両方に分散投資することも検討する価値があります。