仮想通貨取引所ビットメックス(BitMEX)のアーサー・ヘイズ共同創業者は3日、ビットコイン(BTC)が一時的に7万ドル(約1029万円)付近まで下落した後、25万ドル(約3675万円)まで上昇するとの見通しを示した。
ヘイズ氏はビットコインの短期的な価格調整を予想しつつも、長期保有的には極めて強気な見方を維持している。同氏によれば、現在の相場から一時的な下落はあるものの、その後の大幅な価格上昇は避けられないという。
7万ドルへの下落を予測する根拠
ヘイズ氏は、世界的な市場の下落局面においてビットコインも影響を受け、価格が7万ドル程度まで下落する可能性があると指摘している。この予測は、グローバル金融市場の潜在的な調整と連動したものだ。
「最悪のシナリオでは、ビットコインは約7万ドル付近まで下落する可能性がある」とヘイズ氏は述べており、特にグローバル市場が下落局面を迎えた場合にこの水準まで調整されると予想している。
同氏は投資家に対し、下落局面ではレバレッジを使わずにビットコインを購入することの重要性を強調している。市場の調整はあくまで一時的なものであり、長期的な上昇トレンドに影響を与えないという見方だ。
25万ドル到達への道筋
短期的な下落の後、ヘイズ氏はビットコインが25万ドルという高値に向かって上昇すると予測している。この大幅な上昇予想の背景には、いくつかの重要な要因がある。
まず、各国政府による大規模な通貨発行が継続していることが、ビットコインに対する安全資産としての需要を高める可能性がある。
また、ブラックロックやマイクロストラテジーなどの機関投資家によるビットコイン保有の増加も、利用可能な供給量を減少させ、需要を押し上げる重要な要因となっている。
ヘイズ氏はさらに、2026年までにビットコインの価格が75万ドル(約1億1025万円)から100万ドル(約1億4700万円)に達するという長期的な予測も示している。この予測は金融市場のダイナミクスとビットコインETF(上場投資信託)の承認可能性に関連している。
世界経済の不確実性がビットコインを後押し
ヘイズ氏の予測の背景には、世界経済の不確実性に関する見解も影響している。同氏は、今後さらに深刻な金融危機が発生する可能性を指摘しており、それが大恐慌よりも悪化する可能性があるとの見方を示している。
このような経済環境において、ビットコインは重要なヘッジ(リスク回避)資産としての役割を果たし、その価値を高める可能性があるという。
同氏は、ビットコインの限定的な供給量と機関投資家による採用増加が、価格上昇の主な要因になると考えている。
なお、ヘイズ氏はより長期的な視点では、今後10年間でビットコインの価格が1億ドル(約147億円)に達する可能性さえも示唆している。
これは、グローバルな経済要因や機関投資家の継続的な参入が続くことを前提としている。また、 ETFの承認とその後の資金流入も、ビットコインの長期的価値向上に寄与する重要な要素と考えられている。