暗号資産(仮想通貨)取引所のコインベース(Coinbase)は13日、2024年第4四半期決算を発表し、収益が前年同期比88%増の23億ドル(約3,519億円)、純利益が13億ドル(約1,989億円)と過去最高を記録した。
取引高の急増で収益が大幅増加
個人向け取引による収益は前年同期比178%増の13億5,000万ドル(約2,066億円)に達した。
機関投資家向け取引からの収益も155%増の1億4,130万ドル(約216億円)を記録し、第4四半期の取引高は前年同期比185%増となる4,390億ドル(約67兆円)を達成した。
この成長を支えた要因として、ドナルド・トランプ大統領による仮想通貨への前向きな姿勢が挙げられる。大統領は米国を「世界の仮想通貨の中心地」とする方針を示しており、この発言を受けて市場が活況を呈した。
また、年初に承認されたビットコイン(BTC)ETFの影響も、取引高増加に寄与している。
ステーブルコイン事業が新たな収益源に
サブスクリプションおよびサービス収益も前年同期比38.8%増を記録。この分野ではステーブルコインから2億2,590万ドル(約346億円)、ブロックチェーン報酬から2億1,490万ドル(約329億円)の収益を計上した。
同社が発行するステーブルコインUSDCの供給量は四半期中に23%増加。ブライアン・アームストロングCEOは「USDCを最大のステーブルコインにすることを目標としている」と意欲を示した。
アレシア・ハースCFOは今後の展望について、「ステーブルコイン法制化後の世界でUSDCは成長が期待できる。資産の流動性が高まれば、それだけ採用も進む」と説明。米国での法整備進展に期待を寄せた。
グローバル展開と今後の成長戦略
コインベースは規制当局との協議を進め、インド市場への再参入も検討している。新政権下での規制環境の改善が見込まれる中、国際展開を加速させる方針だ。
また機関投資家向けサービスの強化にも注力。ETF承認を受けて機関投資家の参入が増加する中、取引プラットフォームの整備や新商品の開発を進めている。
2025年に向けては、米国での規制環境の改善や機関投資家の参入拡大を追い風に、さらなる成長が期待される。主力の取引事業に加え、ステーブルコイン事業の拡大や国際展開の進展が、業績を押し上げる要因となる見通しだ。