ARK Invest(アーク・インベスト)は7月25日、運用する上場投資信託(ETF)を通じて、コインベースの株式3万51株を売却した。
売却はARK Innovation ETF(ARKK)およびARK Next Generation Internet ETF(ARKW)で行われた。コインベースの同日終値396.70ドルに基づくと、売却総額は1210万ドルにのぼる。
ポートフォリオ再調整の背景
今回の売却は、アーク・インベストによる戦略的なポートフォリオ再調整の一環とみられる。同社はファンド内の個別銘柄の保有比率を10%以下に抑える方針を掲げており、リスク分散を重視している。
この方針に基づき、同社はコインベースの株式のほかに、ブロックの株式を980万ドル、ロビンフッド・マーケッツの株式を110万ドル分売却した。
変動の大きい仮想通貨市場において、アーク・インベストは機動的なリバランスによってリスク管理を徹底し、バランスの取れた資産配分の維持を図っている。
仮想通貨インフラへのシフト
アーク・インベストは、取引所関連株式へのエクスポージャーを減らす一方、仮想通貨インフラへの投資を強化している。
最近では、イーサリアム(ETH)関連のインフラを手がけるBitmine Immersion Technologiesに1億7500万ドルを投資した。
これは、取引所のような仲介業者から、ブロックチェーン基盤を支えるインフラ企業へと、同社が投資の軸を移していることを示している。短期的な価格変動ではなく、技術基盤に長期的な価値を見出している姿勢がうかがえる。
アーク・インベストはビットコイン(BTC)現物ETFも運用しており、こうしたビットコインETF市場の動向もポートフォリオ戦略に影響を与えている。